ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)3/5の欧米マーケット影響
欧米株下落、米国製造業新規受注、米国耐久財受注確報値、米国ISM非製造業景気指数の弱い数値で日足安値149.71へ急落。
しかし、米国ISM非製造業景気指数の中身は極端に悪くはなく、加えて翌日注目の米国パウエルFRB議長議会証言での利下げ慎重姿勢を警戒したショート勢決済も入り引けに掛けて揉み合い。
日足終値150.06
(2)経済指標
・米国ADP雇用者数
・米国JOLTS求人件数
・米国ベージュブック(地区連銀経済報告)
(3)要人発言
・政府日銀要人
・FRB要人
(4)その他
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円はやや円高か、米イベントに注目-期末の円買い(Bloomberg)
【債券週間展望】長期金利上昇か、10年入札は日銀政策修正に警戒強い(Bloomberg)
【日本株週間展望】続伸、FRB議長証言で波乱リスクも-SQ警戒(Bloomberg)
本日注目材料は3点。
①米国経済指標
注目度の高い指標が続きますが、特に・米国JOLTS求人件数。強い数値なら素直にドル円上昇、弱い数値なら下落は一時的で上昇に転じやすいと推測します。但し、151円台からは政府・日銀為替介入警戒感が一気に高まりロング勢利確も入りやすくドル円上昇から急落もあり得ます。
一方で下値150.00付近は固く押し目買いも入りやすいことから、弱い数値で150.00付近へ下落すれば押し目買いの好機と言えそう。
②FRB要人発言
パウエルFRB議長の議会証言への注目度が高い。事前原稿はNYマーケットオープン前に発表される可能性が高く、証言前にドル円が大きく動く想定。タカ派姿勢の見方が優勢のため、ハト派寄りの原稿内容や証言ならドル円急落しやすい。タカ派姿勢が強調されるならドル円急騰か。
パウエルFRB議長、「利下げ急がない」姿勢強調か-議会証言に注目(Bloomberg)
③中東地政学リスクオフ
戦争で海運が脅かされて原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。
3/3には紅海航行中の貨物船が沈没しており状況の改善が見られず。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
16:05 報道
3月日銀金融政策決定会合で一部出席者がマイナス金利解除が妥当と表明する見通し(時事通信)
日銀委員、少なくとも1人が3月のマイナス金利解除を主張へ-報道(Bloomberg)
【考察】日銀政策修正観測。ドル円急落。しかし政策委員9人のうち少なくとも1人の主張であり、政策修正には5人以上の委員が賛成であることからハードルは高い。そのためか直ぐに全戻し上昇。
19:16~要人発言
日銀、昨年上回る高水準の賃上げ実現に自信深める-関係者(Bloomberg)
【考察】日銀政策修正観測。ドル円下落するも物価への反映不透明で即全戻し。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:15 経済指標
米国ADP雇用者数(過去の発表日:2/1, 3/8, 4/5, 5/3, 6/1, 7/6, 8/2, 8/30, 10/4, 11/1, 12/5, 1/4, 1/31, 3/6)
後日発表の米国雇用統計との差異も注目されます。
前月比:前回10.7万人(改定)、予想15.0万人、結果14.0万人(△)
【考察】予想より弱い数値。ドル円下落。
22:30~ 要人発言
米国パウエルFRB議長(議会証言、事前原稿)
:政策スタンスは中立。前回2/5タカ派発言。
(過去の発言:10/2, 10/19, 11/1, 11/9, 12/1, 12/13, 1/31, 2/5, 3/6)
パウエル議長、インフレに関するさらなる確信が利下げには必要(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。ドル円上昇。しかし従来通りの内容でサプライズなく全戻し下落。
24:00 経済指標
米国JOLTS求人件数(過去の発表日; 3/8, 4/4, 5/2, 5/31, 7/6, 8/1, 8/29, 10/3, 11/1, 12/5, 1/3, 1/30, 3/6)
(Bureau of Labor Statistics)
前回902.6万件(改定888.9)、予想888.5万件、結果886.3万件(×)
米求人件数、前月から減少も依然高水準-労働市場の強さ浮き彫り(Bloomberg)
【考察】
発表前:注目の米国パウエルFRB議長(議会証言、下院金融委員会)控えて乱高下。
発表後:弱い数値。ドル円下落するも、直後の米国パウエルFRB議長発言のハト・タカ派受けて乱高下継続
24:24~ 要人発言
米国パウエルFRB議長(議会証言、下院金融委員会)
:政策スタンスは中立。前回2/5タカ派発言。
(過去の発言:10/2, 10/19, 11/1, 11/9, 12/1, 12/13, 1/31, 2/5, 3/6)
【考察】ハト派、タカ派発言交錯。ドル円乱高下。
26:00~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスは中立。前回3/1金利見通しへのコメントなし。
(過去の発言:11/10, 11/15, 11/17, 11/30, 12/18, 1/19, 2/16, 2/29, 3/1, 3/6)
サンフランシスコ連銀総裁、住宅コスト上昇がインフレを押し上げ(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。ドル円上昇
28:00 要人発言
米国ベージュブック(地区連銀経済報告)
FOMC開催の2週間前に公表。政策金利決定の材料とされるため注目度大。
米地区連銀経済報告:経済活動わずかに増加、物価上昇には敏感に(Bloomberg)
【考察】経済活動拡大。ドル円上昇
30:25~要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
:政策スタンスはタカ派。前回2/7タカ派発言。
(過去の発言:11/3, 11/7, 2/5, 2/6, 2/7, 3/6)
【考察】タカ派発言。ドル円上昇。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値150.06
注目の米国パウエルFRB議長議会証言を控え、東京安値149.81~日足高値150.09の小幅レンジ推移。
欧米マーケット:
欧州オープン直前、日銀政策修正観測報道により日通し安値149.33へ急落。しかし政策委員9人のうち少なくとも1人の主張であり、政策修正には5人以上の委員が賛成であることからハードルは高い。そのためか直ぐに全戻し上昇。
本日最大の注目材料であった米国パウエルFRB議長の議会証言はハト・タカ派発言交錯し、日足安値149.10(日足押し安値付近)を付けながらドル円乱高下。
その後、米国パウエルFRB議長・米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁・米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁のタカ派発言、米国ベージュブックの経済活動拡大報告でドル円上昇。
日足終値149.41
【米国市況】パウエル氏証言で株と国債上昇-ドル下げ149円40銭付近(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル
買い:原油先物価格上昇、米国パウエルFRB議長・米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁・米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁のタカ派発言、米国ベージュブックの経済活動拡大報告。
売り:米国ADP雇用者数、米国JOLTS求人件数の弱い数値、米国パウエルFRB議長のハト派発言
アデン湾で船舶が攻撃受け炎上、死者が出た可能性高いと米当局者(Bloomberg)
・円買い優勢
買い:時事通信の日銀政策修正観測報道、日銀の賃上げ実現へ自信発言
売り:日本株上昇、原油先物価格上昇
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
3月20日公表:25bp引き下げ5.0%、据え置き95.0%
5月1日公表:25bp引き下げ19.8%、据え置き79.4%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:3月陽線形成中。三尊右肩付近
- 週足:3/4週、陽線形成中。上昇トレンド。BB+1σ付近で滞留。
- 日足:3/5陰線。レンジ。20MA付近。よって3/5は戻り売り優勢と推測。
- 4H足:レンジ。BB-1σ付近。
- 1H足:下降トレンド。BB-1σ付近。
- 15M足:レンジ。20MA付近。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足レジスタンス150.247かつ1H足20MAをダウ上昇→目標4H足レジスタンス150.460
(B)4H足レジスタンス150.460をダウ上昇→目標4H足レジスタンス150.774
②ショート
(C)4H足サポート149.778をダウ下落→目標1H足サポート149.514
3月通算:2勝0敗、獲得Pips +25.0
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