ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)4/1の欧米マーケット影響
米国ISM製造業景気指数の強い数値で日足高値151.78へ上昇後、イースターマンデーによる市場参加者不足の影響から引けに掛けて揉み合い。
日足終値151.65
(2)経済指標
・日本10年国債入札
・米国JOLTS求人件数
・米国製造業新規受注
・米国耐久財受注確報値
(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人
(4)その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。
特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円は152円試すか、米利下げ観測後退で-介入なら乱高下(Bloomberg)
【債券週間展望】長期金利は上昇か、日銀買い入れ減額や国債入札警戒(Bloomberg)
【日本株週間展望】続落へ、高値圏で買い控え-政府の為替介入を警戒(Bloomberg)
本日の注目材料は4点。
①政府・日銀口先介入
強い円安牽制発言、政府・日銀3者会合報道にも関わらずドル円下落は限定的で押し目狙いの機会になっています。
但し、相場参加者がこのパターンに慣れた頃に今までより強い牽制発言や報道で大き目のドル円下落が生じる可能性には注意。その場合にも押し目買いに機会になる状況は変わらず。
②FRB要人発言
タカ派発言でドル円下げ止まりやドル円上昇、ハト派発言ではドル円下落一時的から押し目買い機会の傾向が継続見込み。
③米国経済指標
特に注目は米国JOLTS求人件数。「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きを想定しますが、弱い数値が出てもドル円下落は一時的となり、押し目買いの機会になりやすい。
④中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。最近では3/22は露モスクワでテロ発生、4/1イスラエルの在シリアのイラン大使館を空爆が起こりました。結果、原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じやすく、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
6:56 要人発言
北朝鮮が弾道ミサイル発射の可能性 防衛省発表(日本経済新聞)
【考察】地政学リスクオフ
7:50~要人発言
米国クックFRB理事
(過去の発言:11/6, 11/8, 11/16, 2/23, 3/25, 4/2)
:政策スタンスは中立。前回3/25タカ派発言。
【考察】金融政策に関するコメントなし。
9:14~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:3/5, 3/7, 3/8, 3/12, 3/15, 3/19, 3/21, 3/22, 3/26, 3/27, 3/29, 4/1, 4/2)
:前回3/29円安牽制発言
為替は金融政策だけで決まるわけではない=鈴木財務相(Reuters)
【考察】円安牽制発言。ドル円下落。しかし押し目買いに狙われ即全戻し。
東京マーケット(9:00~15:00)
12:35 経済指標
日本10年国債入札(財務省)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回0.722%、結果0.755%(×)
応札倍率:前回3.24倍、結果3.80倍(◎)
テール:前回4銭、結果2銭(◎)
【考察】入札好調
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
23:00 経済指標
米国耐久財受注確報値:設備投資の先行指標
前月比:前回1.4%(改定)、予想1.4%、結果1.3%(×)
コア前月比:前回0.5%(改定-)、予想0.5%、結果0.3%(×)
23:00 経済指標
米国製造業新規受注
前月比:前回-3.6%(改定-3.8)、予想1.0%、結果1.4%(◎)
23:00 経済指標
米国JOLTS求人件数(過去の発表日; 4/4, 5/2, 5/31, 7/6, 8/1, 8/29, 10/3, 11/1, 12/5, 1/3, 1/30, 3/6, 4/2)
(Bureau of Labor Statistics)
前回886.3万件(改定874.8)、予想877.0万件、結果875.6万件(△)
米求人件数、前月からほぼ変わらず-底堅い労働力需要なお示す(Bloomberg)
【考察】
発表前:日足高値151.80を付けてから乱高下継続。
発表後:弱い数値。日足安値151.47付けるも、同刻発表の米国製造業新規受注(強)の影響強く乱高下継続。
23:10~要人発言
米国ボウマンFRB理事
(過去の発言:1/8, 1/17, 2/3, 2/12, 2/21, 2/27, 3/7, 4/2)
:政策スタンスは中立。前回3/7タカ派発言
【考察】金融政策に関するコメントなし。
25:05~要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:12/18, 1/11, 2/6, 2/29, 3/7, 4/2)
:政策スタンスはタカ派。前回3/7タカ派発言。
クリーブランド連銀総裁、インフレデータさらに必要-利下げ開始前に(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
26:42~要人発言
米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:12/18, 1/19, 2/16, 2/29, 3/1, 3/6, 4/2)
:政策スタンスは中立。前回3/6タカ派発言
FOMC議決権メンバー2人、年内3回の利下げをなお想定(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値151.65
北朝鮮弾道ミサイル発射の地政学リスクオフや鈴木財務相の円安牽制発言によって東京安値151.50を付けるも、押し目買いの機会となり東京高値151.80へ上昇。口先介入の効果は限定的。
きょうの国内市況(4月2日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
イースター休暇明けの欧州オープン後、151.56まで下押しするも押し目買い入りやすい環境に変わりなく即全戻し。米国JOLTS求人件数の弱い数値で日足安値151.47へ下落。
米国メスター・クリーブランド連銀総裁と米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁のタカ派発言のタカ派発言で上昇に転じ引けに掛けて揉み合い。
日足終値151.56
【米国市況】株・債券が下落、利下げ後ずれ懸念で-ドル151円半ば(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル売買交錯
買い:原油先物価格上昇、米国製造業新規受注の強い数値、米国メスター・クリーブランド連銀総裁、米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁のタカ派発言
売り:米国JOLTS求人件数、米国耐久財受注確報値の弱い数値
・円売買交錯
買い:北朝鮮弾道ミサイル発射、鈴木財務相の円安牽制発言、株下落リスクオフ
売り:日本10年国債入札好調、原油先物価格上昇
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
5月1日公表:25bp引き下げ0.0%、据え置き98.5%、25bp引き上げ1.5%
6月12日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ66.8%、据え置き32.7%、25bp引き上げ0.5%
年内利下げ観測:25bps×3回=75bps → 政策金利450~475bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:4月陽線形成中。レンジ上限到達
- 週足:4/1週、陽線形成中。レンジ上限到達。
- 日足:4/1陽線。レンジ。4/2もレンジ抜けまで揉み合い優勢と推測。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:上昇トレンド。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足レンジ下限151.226付近へ下落→ダウ転換上昇→目標1H足レンジ上限151.500
②ショート
(B)4H足レンジ上限151.775付近へ上昇→ダウ転換下落→目標1H足レンジ下限151.621
4月通算:1勝0敗、+10.2 pips
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