ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日銀金融政策決定会合公表
・日銀、国債買い入れ11月予定公表
・米国雇用コスト指数第3四半期
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国PCE、PCEデフレータ
・米国シカゴ購買部協会景気指数
・米国アトランタ連銀GDP Now
2.要人発言
・植田日銀総裁会見
・政府日銀円安牽制発言
・FRBFEDウォッチャー、WSJ紙のニック氏(Twitter):FRBブラックアウト期間(FOMC開催前週の土曜日から公表翌日までの13日間:10/26~11/8)につき
3.その他
・日銀会合公表直前リーク報道
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・月末ロンドンフィックス
・米国主要企業決算(特にアップル、アマゾン)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)日銀金融政策決定会合公表、植田日銀総裁会見
(2024年、日銀金融政策決定会合発表日のドル円動きまとめ)
日銀会合注目点:政局混迷と円安で強まる不透明感、政策維持の見通し(Bloomberg)
(2)米国経済指標
注目は、米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数と米国PCEデフレータです。
(2024年9~10月、米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数発表日のドル円動きまとめ)
(2024年、米国PCEデフレータ発表日のドル円動きまとめ)
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
7:17 要人発言
防衛省
「北朝鮮、ミサイル発射」
【考察】地政学リスクオフ。ドル円じり下げ。
東京マーケット(9:00~15:00)
11:48 経済指標
日銀金融政策決定会合公表(日本銀行)
(発表日:1/23, 3/19, 4/26, 6/14, 7/31, 9/20, 10/31, 12/19)
過去の傾向では正午付近の公表は会合参加者の意見の相違は少なく金融政策変更なし。13:00頃に近づくほど金融政策変更の可能性高いです。
①政策金利:前回0.25%、予想0.25%、結果0.25%(○)。
(実質金利=政策金利-期待インフレ率=0.25-2.00=-1.75%)
②声明:ハト、タカ派。インフレ上振れ懸念
③経済・物価情勢の展望(10月、基本的見解)(展望リポート):
実質GDP見通し
2024年:前回7月+0.6%、結果+0.6%(○)
2025年:前回7月+1.0%、結果+1.1%(◎)
2026年:前回7月+1.0%、結果+1.0%(○)
物価見通し(コアCPI)
2024年:前回7月+2.5%、結果+2.5%(○)
2025年:前回7月+2.1%、結果+1.9%(×)。但し、上振れリスク懸念
2026年:前回7月+1.9%、結果+1.9%(○)
日銀が政策金利を維持、海外経済・市場動向の影響見極めと明記(Bloomberg)
【考察】
発表前:日本政情不安から現状政策維持期待でドル円じり上げ。直前153.37。
発表後:日足高値153.63へ上昇後、物価上振れリスクが材料視され急落。Sell the factの様な動きで急落。
15:30~要人発言
植田日銀総裁
(発言:9/3, 9/20, 9/24, 10/2, 10/18, 10/23, 10/24, 10/31)
:前回10/24利上げ慎重ハト派発言
「過去と比べると為替の変動が物価に影響を与える面がある」
「金融政策は毎回の会合で判断」
見極めに必要な時間や利上げのタイミングに予断持たずと植田日銀総裁(Bloomberg)
【考察】
会見前:日銀会合公表のインフレ上振れ懸念の影響続きドル円下落。直前152.78
会見後:円安牽制発言、注目されていた「時間的な余裕はある」との発言なくタカ派と判断されドル円下落。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
17:00 経済指標
日銀、国債買い入れオペ11月予定公表(日銀、国債買い入れ)
(オファー日程:)
21:30 経済指標
米国雇用コスト指数第3四半期
指数の上昇は消費者物価指数や個人所得の増加につながる可能性が高い。最近はFRBも注目している指標と明言
前期比:前回0.9%(改定)、予想1.0%、結果0.8%(×)
21:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。失業保険継続申請件数より注目度は高い。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回22.7万件(改定22.8)、予想23.0万件、結果21.6万件(◎)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回189.7万件(改定188.8)、予想187.7万件、結果186.2万件(◎)
21:30 経済指標
米国PCE
個人所得:前回0.2%(改定)、予想0.4%、結果0.3%(△)
個人支出:前回0.2%(改定0.3)、予想0.4%、結果0.5%(◎)
米国PCEデフレータ(過去の発表日:1/26, 2/29, 3/29, 4/26, 5/31, 6/28, 7/26, 8/30, 9/27, 10/31)
総合指数より基調的なインフレを反映するコア指数がより注目されます。
強い数値なら、「インフレへの警戒感→FF金利上昇する可能性→ドル買い材料」
【9/18(水)米国FOMC公表2024年見通し:コアPCE2.3%】
前月比:前回0.1%(改定)、予想0.2%、結果0.2%(○)
前年比(FRB目標2.0%):前回2.2%(改定2.3)、予想2.1%、結果2.1%(○)
コア前月比:前回0.1%(改定0.2)、予想0.3%、結果0.3%(○)
コア前年比:前回2.7%(改定)、予想2.6%、結果2.7%(○)
米PCEコア価格指数、4月以来の大幅上昇-消費支出も上向く(Bloomberg)
【考察】
発表前:日銀会合公表現状維持、植田日銀総裁会見サプライズはなかったことで152円台割れ材料にはならず152.85へ急反発。直前152.79。
発表後:強い数値。同刻発表の米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数(強)となり152.99を付けるも、153円台前後では大口投資家の月末ポジション調整が交錯していたためかドル円乱高下。
22:45 経済指標
米国シカゴ購買部協会景気指数
米国ISM製造業景気指数の前営業日に発表される同指標の先行指標。
基準50、前回46.6(改定)、予想46.9、結果41.6(×)
【考察】弱い数値。
24:30 経済指標
米国アトランタ連銀GDP Now(US Atlanta Fed)(Investing.com)
米国アトランタ連銀が各種経済指標を基に算出した米国実質GDPの先行指標です。比較的精度が高いことから市場の注目度が上がっています。
Q4:前回2.8%、予想2.8%、結果2.7%(×)
【考察】弱い数値。
25:00 月末ロンドンフィックス
前後の時間帯でポジション調整によって不規則な乱高下生じやすい。
29:05 米国主要企業決算
アマゾン
売上高:前回1479.8億ドル、予想1572.8億ドル、結果1589.0億ドル(◎)
EPS:前回1.26ドル、予想1.14ドル、結果1.43ドル(○)
【決算速報】アマゾン・ドット・コム、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com)
29:30 米国主要企業決算
アップル
売上高:前回857.8億ドル、予想944.0億ドル、結果949.0億ドル(◎)
EPS:前回1.40ドル、予想1.60ドル、結果1.64ドル(◎)
【決算速報】アップル、売上高は予想を上回り、利益は予想を上回る結果に(Investing.com)
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値153.38
取引開始後、スワップ4倍デー狙いのロング勢決済や北朝鮮ミサイル発射の地政学リスクオフを受けてドル円じり下げるも、日本政情不安から日銀会合の現状政策維持期待でドル円上昇。
日銀金融政策決定会合は予想通りの現状政策維持で日足高値153.63へ上昇。しかし、声明文の物価上振れリスクが材料視され急落。Sell the factの様な動き。
更に植田日銀総裁会見ではハト・タカ派のバランスを取りながらの発言でしたが、円安牽制発言や注目されていた「時間的な余裕はある」との発言ないことがタカ派と判断されドル円下落継続。
【日本市況】円上昇、物価上振れリスクと日銀-総裁会見中に一段高(Bloomberg)
欧米マーケット:
東京マーケットの影響引き継いで欧州オープン直後に日通し安値151.92へ下落。しかし、日銀会合公表は現状維持で植田日銀総裁会見にサプライズはなかったことで152円台割れ材料にはならず152.85へ急反発。
注目の米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数(強)、米国PCE、PCEデフレータ(強)となり、152.99を付けるも153円台前後では大口投資家の月末ポジション調整が交錯していたためかドル円乱高下し、日足安値151.83を付けて引けました。
日足終値152.04
【米国市況】株下落、円相場は1%上昇-原油先物が時間外で急伸(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル>
買い材料:
・米国新規失業保険申請件数・失業保険継続申請件数(強)
・米国PCE、PCEデフレータ(強)
・原油先物価格上昇
売り材料:
・米国雇用コスト指数第3四半期(弱)
・米国シカゴ購買部協会景気指数(弱)
・米国アトランタ連銀GDP Now(弱)
・月末ポジション調整(推測)
<円買い優勢>
買い材料:
・北朝鮮ミサイル発射:地政学リスクオフ
・日銀金融政策決定会合公表:タカ派内容
・植田日銀総裁のタカ派発言
売り材料:
・原油先物価格上昇
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利475-500bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回11月7日(木)公表:据え置き4.8→3.3%、25bps引き下げ95.2→96.7%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:10月陽線形成中。レンジ。BB+1σ付近。
- 週足:10/21週、陽線形成中。上昇トレンド。
- 日足:10/24下ヒゲピンバー陽線。上昇チャネル。
- 4H足:三角持ち合い。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)日足高値153.499をダウ上昇→目標日足高値153.868
(B)日足高値153.868をダウ上昇→目標1H足戻り高値154.582
②Short
(C)1H足戻り高値154.582付近へ上昇→転換下落→目標日足高値153.868
(D)4H足レンジ安値152.844をダウ下落→目標4H足レンジ安値152.617
本日:シナリオ外のためトレードなし
10月通算:18勝18敗、勝率50.0%、RR1.93 、+156.9pips
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