2024年4月3日(水)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)4/2の欧米マーケット影響
イースター休暇明けの欧州オープン後、151.56まで下押しするも押し目買い入りやすい環境に変わりなく即全戻し。米国JOLTS求人件数の弱い数値で日足安値151.47へ下落。
米国メスター・クリーブランド連銀総裁と米国デイリー・サンフランシスコ連銀総裁のタカ派発言のタカ派発言で上昇に転じ引けに掛けて揉み合い。
日足終値151.56

(2)経済指標
・米国ADP雇用者数
・米国PMI確報値(サービス業、総合)
・米国ISM非製造業景気指数

(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人

(4)その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。
特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円は152円試すか、米利下げ観測後退で-介入なら乱高下(Bloomberg
【債券週間展望】長期金利は上昇か、日銀買い入れ減額や国債入札警戒(Bloomberg
【日本株週間展望】続落へ、高値圏で買い控え-政府の為替介入を警戒(Bloomberg

本日の注目材料は4点。
①政府・日銀口先介入
強い円安牽制発言、政府・日銀3者会合報道にも関わらずドル円下落は限定的で押し目狙いの機会になっています。
但し、相場参加者がこのパターンに慣れた頃に今までより強い牽制発言や報道で大き目のドル円下落が生じる可能性には注意。その場合にも押し目買いに機会になる状況は変わらず。

②FRB要人発言
タカ派発言でドル円下げ止まりやドル円上昇、ハト派発言ではドル円下落一時的から押し目買い機会の傾向が継続見込み。

③米国経済指標
特に注目は米国ISM非製造業景気指数。「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きを想定しますが、弱い数値が出てもドル円下落は一時的となり、押し目買いの機会になりやすい。

④中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。最近では3/22は露モスクワでテロ発生、4/1イスラエルの在シリアのイラン大使館を空爆が起こりました。結果、原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じやすく、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

9:01 報道
台湾でM7.7、99年以来の大地震-TSMCとUMC生産ラインに影響(Bloomberg

【考察】地政学リスクオフ。

10:10 要人発言
日銀、定例国債買い入れ通知
債券は小幅高、日銀買い入れオペ据え置き-入札控えた超長期にも買い(Bloomberg

【考察】買い入れオペの減額が警戒されていたなかで据え置きはサプライズとなり国債買い戻しによる利回り低下でドル円上昇。

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

21:15 経済指標
米国ADP雇用者数(過去の発表日:4/55/36/17/68/28/3010/411/112/51/41/31, 3/6, 4/3)
後日発表の米国雇用統計との差異も注目されます。
前月比:前回14.0万人(改定15.5)、予想15.2万人、結果18.4万人(◎)

【考察】強い数値。ドル円上昇。

21:49~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:1/81/181/192/52/92/162/282/293/13/4, 3/25, 4/3)
:政策スタンスはハト派。前回3/25タカ派発言。
ボスティック総裁、今年1回の利下げ予想を維持-10-12月開始が適切(Bloomberg

【考察】タカ派発言。ドル円上昇継続。

22:45 経済指標
米国PMI確報値
(速報値発表日:4/215/236/237/248/239/2210/2411/2412/151/242/22, 3/21
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
サービス業:前回51.7、予想51.7、結果51.7(○)
総合:前回52.2、予想52.2、結果52.1(×)

【考察】強弱混在。日足高値151.95を付けて下落。

23:00 経済指標
米国ISM非製造業景気指数(ISM Report On Business
(過去の発表日; 4/55/36/57/68/39/610/411/312/51/52/5, 3/5, 4/3)
景気の先行指標として注目度大。
基準50、前回52.6(改定)、予想52.8、結果51.4(×)

【考察】弱い数値。151.65へ急落。

25:10~ 要人発言
米国パウエルFRB議長
(過去の発言:12/112/131/312/53/63/73/203/22, 3/29, 4/3)
:政策スタンスは中立。前回3/29タカ派発言
パウエル議長、さらなるデータ精査の「時間ある」-利下げ前に(Bloomberg

【考察】タカ派・ハト派発言。ドル円下げ止まり。

29:30~要人発言
米国クーグラーFRB理事
(過去の発言:2/7, 3/1, 4/3)
:政策スタンスは中立。3/1金利見通しへのコメントなし。
クーグラーFRB理事、今年の「いくらかの」利下げは適切だろう(Bloomberg

【考察】ハト派発言

<まとめ>
日足始値151.56
東京マーケット:
台湾大地震の地政学リスクオフ、日本株下落リスクオフで東京・日足安値151.44を付けたものの、米利下げ観測後退、仲値に向けてドル買い需要や日銀定例国債買い入れ据え置きが支えとなり、全戻しから東京高値151.64へ上昇。その後、台湾大地震の影響を見極めたい観測もあり揉み合い。

きょうの国内市況(4月3日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン前から原油先物価格上昇・高止まりに連れてドル円上昇し、米国ADP雇用者数と米国PMI確報値(サービス業)の強い数値、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言、日足高値151.95へ到達。直後の米国ISM非製造業景気指数が弱い数値で151.65へ急落。しかし、米国パウエルFRB議長のタカ派・ハト派発言でドル円下げ止まり。
日足終値151.70

【米国市況】S&P500反発、FRB議長発言に安堵感-151円70銭前後(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・ドル売り優勢
買い:米国ADP雇用者数、米国PMI確報値(サービス業)の強い数値、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁と米国パウエルFRB議長のタカ派発言、原油先物価格高止まり
売り:米国PMI確報値(総合)、米国ISM非製造業景気指数の弱い数値、米国クーグラーFRB理事のハト派発言

・円売り優勢
買い:台湾大地震の地政学リスクオフ、日本株下落リスクオフ、円キャリー減少
売り:日銀定例国債買い入れ据え置き、原油先物価格高止まり

円よりスイス・フラン、キャリー取引調達通貨-ステートSとシティ(Bloomberg

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
5月1日公表:25bp引き下げ6.9%、据え置き93.1%、25bp引き上げ0.0%
6月12日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ55.3%、据え置き40.8%、25bp引き上げ0.0%
年内利下げ観測:25bps×3回=75bps → 政策金利450~475bps相当

テクニカル分析

トレード

  • 月足:4月陽線形成中。レンジ上限到達
  • 週足:4/1週、陽線形成中。レンジ上限到達。
  • 日足:4/2陰線。レンジ。4/3もレンジ抜けまで揉み合い優勢と推測。
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①ロング
(A)4H足レンジ下限151.466付近へ下落→ダウ転換上昇→目標4H足レンジ上限151.762
(B)日足押し安値151.340付近へ下落→ダウ転換上昇→目標4H足レンジ上限151.466

②ショート
(C)4H足レンジ上限151.762付近へ上昇→ダウ転換下落→目標4H足レンジ下限151.466

4月通算:3勝0敗、+34.1 pips

(Trading View)

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