ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)2/26の欧米マーケット影響
記録的規模の米国債入札供給イベントの織り込みから米国債利回り上昇につれて日足高値150.84へ急上昇。その後、米国5年債入札好調もあり、引けに掛けて下落。
日足終値150.71
(2)経済指標
・日本消費者物価指数
・米国耐久財受注速報値
・米国住宅価格指数
・米国S&Pケースシラー住宅価格指数
・米国コンファレンスボード消費者信頼感指数
・米国リッチモンド連銀製造業指数
・米国7年債入札
(3)要人発言
・政府日銀円安牽制発言
・FRB要人
(4)その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。
特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円は150円台で高止まりか、米PCE物価の上振れ警戒(Bloomberg)
【債券週間展望】長期金利上昇か、日銀会合接近で売り-中期軟調重し(Bloomberg)
【日本株週間展望】小反落、最高値圏で足場固め-日米の物価指標注視(Bloomberg)
本日注目材料は3点。
①米国経済指標
注目度の高い経済指標が相次ぎます。
素直に強い数値でドル円上昇、弱い数値でドル円下落になりやすいですが、151円台からは政府・日銀為替介入警戒感が一気に高まりロング勢利確も入りやすい。よってドル円上昇から急落もあり得ます。
一方で下値150.00付近は固く押し目買いも入りやすいことから、弱い数値で150.00付近へ下落すれば押し目買いの好機と言えそう。
②FRB要人発言
米国経済指標を受けての発言に注目ですがタカ派発言が出やすい環境であることから、ドル円上昇を後押しすると推測します。
③中東地政学リスクオフ
米軍報復が開始されたことで原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:30 経済指標
日本消費者物価指数(CPI)(政府統計の総合窓口)
(過去の発表日; 1/19, 2/27)
日銀物価目標2.0%。日銀政策金利-0.1%
前年比:前回2.6%、予想1.9%、結果2.2%(○)
コア前年比:前回2.3%、予想1.9%、結果2.0%(○)
コアコア前年比:前回3.7%、予想3.3%、結果3.5%(○)
消費者物価は22カ月連続で日銀目標2%水準を維持、正常化後押し(Bloomberg)
<参考>
実質金利=政策金利-総合消費者物価指数前年比
日本:-0.1-2.2=-2.3%
米国: 5.5-3.1=2.4%
【考察】総じて強い数値。日銀政策修正観測でドル円下落。
東京マーケット(9:00~15:00)
9:40~要人発言
米国シュミッド・カンザスシティ連銀総裁の発言(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:11/7, 2/27)
:前回11/7金融政策や経済見通しについてコメントなし。
FRBは利下げに忍耐強く臨むべきだ-カンザスシティー連銀総裁(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。2023年8月就任以降、情報発信不足で政策スタンス不明でしたが、タカ派スタンスの可能性を示唆。日本消費者物価指数の影響強くドル円下落継続。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国耐久財受注速報値:設備投資の先行指標
前月比:前回0.0%(改定)、予想-4.5%、結果-6.1%(×)
コア前月比:前回0.5%(改定-)、予想0.3%、結果-0.3%(×)
23:00 経済指標
米国住宅価格指数
前月比:前回0.3%(改定0.4)、予想0.2%、結果0.1%(×)
23:00 経済指標
米国S&Pケースシラー住宅価格指数
前年比:前回5.40%(改定5.41)、予想5.90%、結果6.13%(◎)
23:06~要人発言
米国バーFRB副議長(事前原稿)
:政策スタンスは中立。前回2/16金利見通しに関する発言なし
(過去の発言:10/2, 10/9, 11/17, 1/9, 2/14, 2/16, 2/27)
カウンターパーティーリスク、銀行は対応強化が必要-FRB副議長(Bloomberg)
【考察】金利見通しに関する発言なし
24:00 経済指標
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数
米国ミシガン大学消費者信頼感指数と同様、経済活動全体に重要な役割を果たす個人消費に関する重要指標。
(過去の発表日; 1/30, 2/27)
前回1/30は強い数値でドル円上昇。
前回114.8(改定110.9)、予想115.0、結果106.7(×)
24:00 経済指標
米国リッチモンド連銀製造業指数
(過去の発表日; 12/27, 1/23, 2/27)
前回1/23は弱い数値でしたが一瞬の下落が押し目となり上昇継続
基準0、前回-15、予想-9、結果-5(◎)
26:45~要人発言
米国ボウマンFRB理事
:政策スタンスは中立。前回2/12タカ派発言。
(過去の発言:11/7, 11/9, 11/28, 1/8, 1/17, 2/3, 2/12, 2/21, 2/27)
ボウマンFRB理事、「まだその地点ではない」-利下げ開始は時期尚早(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
27:00 経済指標
米国7年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
(過去の発表日; 1/25, 2/27)
前回1/25は入札好調でドル円下落。
最高落札利回り:前回4.109%、結果4.327%(×)
応札倍率:前回2.57倍、結果2.58倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率:前回69.06%、結果69.57%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-0.3 bps、結果+0.2bps(×)
国債発行日前取引(WI): 4.329%
【考察】総じて入札好調。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値・日足高値150.71
「日本消費者物価指数の強い数値→日銀政策修正観測→日本国債利回り上昇」で東京安値150.41へドル下落。
きょうの国内市況(2月27日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン前150.54へ戻すも、「日銀政策修正観測の影響継続」と「米国債利回り低下」により日通し安値150.12へ急落。
米国耐久財受注速報値の弱い数値で日足安値150.08へ下落したものの、切番150.00付近からの押し目買い強く反発。
同刻発表の米国住宅価格指数と米国S&Pケースシラー住宅価格指数は強弱交錯するも強い数値が材料視され150.42へ急反発。
同刻発表の米国コンファレンスボード消費者信頼感指数と米国リッチモンド連銀製造業指数は強弱交錯し、ここでも強い数値が材料視され150.55上昇。
その後、米国7年債入札好調、米国ボウマンFRB理事のタカ派発言、原油先物価格上昇交錯し、ドル円乱高下。
日足終値150.52
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル売り優勢
買い:米国シュミッド・カンザスシティ連銀総裁と米国ボウマンFRB理事のタカ派発言、米国S&Pケースシラー住宅価格指数の強い数値、原油先物価格上昇
売り:米国耐久財受注速報値、米国住宅価格指数、米国コンファレンスボード消費者信頼感指数の弱い数値、米国7年債入札好調
・円買い優勢
買い:日本消費者物価指数の強い数値、日本株下落
売り:原油先物価格上昇
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
3月20日公表:25bp引き下げ2.5%、据え置き97.5%
5月1日公表:25bp引き下げ18.1%、据え置き81.5%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:2月陽線形成中。三尊右肩付近
- 週足:2/26週、陽線形成中。上昇トレンド。BB+1σ付近から戻り売り発生。
- 日足:2/26陽線。レンジ上限到達。週足売りと一致。
- 4H足:レンジ上限。BB+2σ付近。
- 1H足:レンジ。BB+1σ付近。
- 15M足:下降トレンド。BB-2σ付近。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足サポート150.531付近へ下落→ダウ転換上昇→目標4H足レジスタンス150.769
(B)日足149.998付近へ下落→ダウ転換上昇→目標4H足レジスタンス150.356
②ショート
(C)4H足サポート150.356をダウ下落→目標日足サポート149.988
2月通算:9勝11敗、勝率45.0%、獲得Pips +0.9
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