2024年2月2日(金)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)2/1の欧米マーケット影響
米国新規失業保険申請件数・米国失業保険継続申請件数の弱い数値でドル円急落。
米国ISM製造業景気指数の強い数値で上昇するも、1/31NYCBサプライズ損失のリスクオフ継続し、日足安値145.90へ再下落。その後は、リスクオフ後退の株上昇からドル円揉み合い。
日足終値146.42

(2)経済指標
・米国雇用統計
・米国製造業新規受注
・米国耐久財受注確報値
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、インフレ予測

(3)要人発言

(4)その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。
特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・IMM通貨先物ポジション
・中東地政学リスクオフ

本日注目材料は3点。
①米国主要企業好決算
前日NYマーケット引け後に発表されたアップルとアマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ決算が好調だったことで、日本株上昇リスクオン、ドル円上昇でスタートしやすいと推測します。但し、米国雇用統計を控えて上昇は続きにくい

②米国雇用統計
本日最大の注目材料。
直近12/8, 1/5は強い数値でも全戻し下落となりましたが、1/31FOMC公表・パウエルFRB議長会見で「持続的にインフレ2%達成の確信得られるまで利下げない」との明言を受けて、注目度の高い経済指標に素直に反応しやすい地合い。従って、強い数値ならドル円上昇、弱い数値なら下落と推測します。

③中東地政学リスクオフ
米軍報復行動の可能性が一気に高まったことで原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

22:30 経済指標
米国雇用統計
(過去の発表日;2/33/104/75/56/27/78/49/110/611/312/8, 1/5, 2/2)
FRBの金融政策に大きな影響を与える重要経済指標。
非農業部門雇用者数:前回21.6万人(改定33.3)、予想18.0万人、結果35.3万人(◎)
失業率:前回3.7%(改定)、予想3.8%、結果3.7%(○)
平均時給
前月比:前回0.4%(改定)、予想0.4%、結果0.6%(◎)
前年比:前回4.1%(改定4.3)、予想4.2%、結果4.5%(◎)
米雇用者数と賃金、予想外に伸び加速-FRB利下げ一段と遠のく(Bloomberg

【考察】
発表前:強い数値期待の織り込みでじり上げ。直前146.67。
発表後:サプライズの強い数値。3月FOMC利下げ観測否定で日通し高値148.06へ急騰。12/8, 1/5発表と異なり素直な動きで一気に148円台乗せ。

24:00 経済指標
米国製造業新規受注
前月比:前回2.6%(改定)、予想0.5%、結果0.2%(×)

24:00 経済指標
米国耐久財受注確報値:設備投資の先行指標
前月比:前回0.0%(改定)、予想0.0%、結果0.0%(○)
コア前月比:前回0.6%(改定-)、予想0.6%、結果0.5%(×)

24:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(過去の速報値発表日;2/103/174/145/126/167/148/119/1510/1311/1012/8, 1/19
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。

前回78.8、予想78.8、結果79.0(◎)

米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回2.9%、予想2.9%、結果2.9%(○)
5年先:前回2.8%、予想2.8%、結果2.9%(◎)

【考察】強い数値でドル円上昇継続。FRB利下げ観測後退にも関わらず経済への楽観視から米株上昇リスクオンも加わり、日足高値148.59到達。

28:41~要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
:政策スタンスは中立。前回1/11はタカ派発言。
(過去の発言:12/112/1512/1712/1812/201/111/12, 1/19, 2/2)
シカゴ連銀総裁、1月雇用統計は労働生産性について疑問生じさせる(Bloomberg

【考察】利下げに関する発言なし

29:30 経済指標
IMM通貨先物1/30時点(ポジション推移
円ショート拡大

【考察】円売り材料

30:20 要人発言
米国当局者
米軍がシリアとイラクで空爆、米兵3人が死亡した無人機攻撃への報復(Bloomberg

【考察】地政学リスクオフ

7:00~要人発言
米国ボウマンFRB理事
:政策スタンスは中立。前回1/8はタカ派発言、1/17は金融政策へのコメントなし。
(過去の発言:11/711/911/281/8, 1/17, 2/3)
ボウマンFRB理事、利下げ検討「まだその段階に達していない」(Bloomberg

【考察】タカ派発言

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値146.42
東京オープン直後に日足安値146.41付けるも、注目の米国雇用統計控えて方向感なくレンジ推移。

きょうの国内市況(2月2日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン前から上昇し、欧州株上昇リスクオンにより日通し高値146.80を伸びましたが直ぐ下落。米国雇用統計控えてポジション調整が入った様子。
米国雇用統計がサプライズの強い数値、米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値・インフレ予測も強い数値、更に3月FOMC利下げ観測否定にも関わらず経済への楽観視から米株上昇リスクオンも加わり日足高値148.59へ急騰。
その後、一気に日足戻り高値148.30付近へ到達したことで戻り売りも入り掛けて揉み合い。
日足終値148.39

【米国市況】株は最高値、力強い雇用統計で景気楽観-一時148円58銭(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・2/2ドル買い優勢
ドル買い:米国雇用統計がサプライズの強い数値、米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値・インフレ予測が強い数値
ドル売り:

・2/2円売り優勢
円買い:
円売り:株上昇リスクオン、日本国債利回り低下

Currency Strength Chart

米国債イールドカーブ

2/2(金)は2/1(木)に対しベア(短期金利上昇、長期金利上昇)、逆イールド同等。ドル買い材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)、現行FRB政策金利525~550bps
3月20日公表:25bp引き下げ20.5%、据え置き79.5%
5月1日公表:25bp引き下げ59.1%、据え置き27.4%
合計利下げ:25bps×5回=125bps → 政策金利400~425bps相当

テクニカル分析

トレード

  • 月足:2月陽線形成中。押し安値や20MA付近から上昇中。
  • 週足:1/29週、陰線形成中。20MAに対しレジサポ形成し上昇トレンド。1/29週は上昇優勢。但し、再度20MAへの下押しの可能性あり。
  • 日足:2/2陰線。下降トレンド。20MA下抜け。
  • 4H足:下降チャネル。BBスクイーズ。
  • 1H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 15M足:レンジ。BBスクイーズ。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足レジスタンス146.572かつ1H足20MAをダウ上昇→目標4H足レジスタンス146.857
(B)4H足レジスタンス146.968かつ4H足20MAをダウ上昇→目標日足レジスタンス147.450

②ショート
(C)日足レジスタンス147.450付近へ上昇→ダウ転換下落→目標4H足サポート146.968

2月通算:0勝1敗、勝率0.0%、獲得Pips -17.0

(Trading View)

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