2024年5月28日(火)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>

(1)経済指標
・日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標
・米国住宅価格指数
・米国S&Pケースシラー住宅価格指数
・米国コンファレンスボード消費者信頼感指数
・米国2年債入札
・米国5年債入札

(2)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人

(3)その他
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア、台中)
来週のドル・円は小じっかりか、ドルに先高観-日銀執行部発言に注目(Bloomberg
【債券週間展望】長期金利は上昇か、買い入れ減額と早期利上げを警戒(Bloomberg
【日本株週間展望】弱含みへ、インフレ高止まり懸念で米PCEに注目(Bloomberg

本日の注目材料は2点。

①米国経済指標
本日注目度の高い指標が続きます。サプライズあれば初動は「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きを想定します。
一方、弱い数値が出ても、単発データでは最近のFRB要人タカ派発言の見解が変わることはなく、ドル円下落は一時的で押し目買いの機会と考えます。

②米国FRB要人発言
5/20(月)週も総じてFRB要人発言タカ派発言が続ており、本日も「タカ派発言→ドル円上昇」がメインと考えます。

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

東京マーケット(9:00~15:00)

10:09~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:4/14/24/44/54/94/114/124/154/164/174/184/194/234/254/265/35/85/95/105/145/21, 5/24, 5/28)
:前回5/24円安牽制発言。
円安のマイナス面強く懸念される状況、必要に応じ対応=鈴木財務相(Reuters

【考察】円安牽制発言。ドル円下落

13:00 要人発言
日銀
共通担保資金供給オペ通知、8000億円

【考察】ドル円上昇

13:55~要人発言
米国ボウマンFRB理事
(過去の発言:2/32/122/212/273/74/24/54/104/185/35/10, 5/17, 5/27)
:政策スタンスは中立。前回5/17タカ派発言。
FRBのバランスシート縮小減速、先送りを支持=ボウマン理事(Reuters

【考察】QT減速先送りのタカ派発言(準備原稿)。ドル円上昇。

13:55~要人発言
米国メスター・クリーブランド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:3/74/24/44/185/145/165/20, 5/22, 5/28)
:政策スタンスはタカ派。前回5/22タカ派発言。
FRBは意思疎通改善のための方策検討を-クリーブランド連銀総裁(Bloomberg

【考察】金利の見通しにはコメントなし(準備原稿)

14:00 経済指標
日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標(日本銀行
加重中央値:前回1.3%、結果1.1%(×)
最頻値:前回1.9%、結果1.6%(×)
刈込平均値:前回2.2%、結果1.8%(×)

【考察】全て弱い数値。日銀早期政策修正観測後退。ドル円上昇

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

16:33~要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:2/52/62/73/64/44/185/75/10, 5/15, 5/28)
:政策スタンスはタカ派。前回5/15タカ派発言。
ミネアポリス連銀総裁、利下げ急ぐ必要ない-確信得るため様子見(Bloomberg

【考察】タカ派発言。ドル円上昇

22:00 経済指標
米国住宅価格指数
前月比:前回1.2%(改定)、予想0.6%、結果0.1%(×)

22:00 経済指標
米国S&Pケースシラー住宅価格指数
前年比:前回7.29%(改定7.33)、予想7.31%、結果7.38%(◎)

【考察】強弱混在。ドル円下落

22:52~要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:2/52/62/73/64/44/185/75/10, 5/15, 5/28)
:政策スタンスはタカ派。前回5/15タカ派発言。
ミネアポリス連銀総裁、利上げの選択肢を完全に排除したわけではない(Bloomberg

【考察】利上げ示唆の強いタカ派発言。ドル円上昇

23:00 経済指標
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数
米国ミシガン大学消費者信頼感指数と同様、経済活動全体に重要な役割を果たす個人消費に関する重要指標。
前回97.0(改定97.5)、予想96.6、結果102.0(◎)

【考察】強い数値。ドル円上昇

24:30 経済指標
米国2年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもある。

発行額(Offering Amount):690億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.898%、結果4.917%(×)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.66倍、結果2.41倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回66.2%、結果57.9%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-0.6 bps、結果+1.0bps(×)

【考察】入札不調。ドル円下落

26:00 経済指標
米国5年債入札(Upcoming Auctions
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。

発行額(Offering Amount):700億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.659%、結果4.553%(◎)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.39倍、結果2.30倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回65.7%、結果65.0%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回+0.4 bps、結果+1.3bps(×)

【考察】総じて入札不調。ドル円上昇継続

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値156.90
取引開始直後、日通し高値156.95を付けてからは、5/25植田日銀総裁タカ派発言と5/27内田日銀副総裁のタカ派発言影響継続、鈴木財務相の円安牽制発言、リスクオフ日本株下落に連れて東京安値156.62へ下落。
しかし、前日日足安値155.66がサポートになると、日銀共通担保資金供給オペ通知、米国ボウマンFRB理事のタカ派発言、日銀基調的なインフレ率を捕捉するための指標(弱)を受け、東京引けに掛けて上昇しました。

【日本市況】長期金利上昇止まらず、日銀政策への警戒強い-円は戻す(Bloomberg

欧米マーケット:
東京マーケット後半からの上昇引き継ぎに加え、欧州オープン後の米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁のタカ派発言を受け日通し高値156.99へ上昇。
しかしながら、前日同様に切番157.00直前では、日銀早期国債買入減額や追加利上げ警戒の材料が強く、リスクオフ欧州株下落もあり下落。
米国住宅価格指数(弱)と米国S&Pケースシラー住宅価格指数(強)の強弱混在で日通し安値156.58を付けましたが、ここでも前日日足安値155.66がサポートになると、米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の利上げ示唆タカ派発言、米国コンファレンスボード消費者信頼感指数(強)、米国2年債入札(×)、米国5年債入札(×)を受け、日足高値157.20へ上昇。
日足終値157.19。

【米国市況】米国債利回り急伸、S&P500は横ばい-ドル157円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売買交錯>
買い材料:
・米国ボウマンFRB理事、米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁のタカ派発言
・米国S&Pケースシラー住宅価格指数(◎)
・米国コンファレンスボード消費者信頼感指数(◎)
・米国2年債入札(×)
・米国5年債入札(×)
・原油先物価格上昇→インフレ懸念

売り材料:
・米国住宅価格指数(×)

<円売り優勢>
買い材料:
・5/25植田日銀総裁タカ派発言、5/27内田日銀副総裁のタカ派発言影響継続→日銀早期国債買入減額や追加利上げ警戒→日本10年国債利回り1.035%(12年ぶり高水準)→リスクオフ日本株下落
・鈴木財務相の円安牽制発言
・リスクオフ欧州株下落

売り材料:
・日銀共通担保資金供給オペ通知
・日銀、基調的なインフレ率を捕捉するための指標(×)
・原油先物価格上昇→日本貿易収支悪化

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回6月12日公表:据え置き99.1%
初回利下げ観測11月7日公表:25bp引き下げ44.5%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利500~525bps相当

テクニカル分析

Trade

  • 月足:5月陰線形成中。上昇トレンド。
  • 週足:5/27週、陰線形成中。上昇トレンド。
  • 日足:5/27下ヒゲピンバー陰線。レンジ
  • 4H足:上昇チャネル。
  • 1H足:下降チャネル。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①Long
(A)4H足・1H足レンジブレイク:1H足レンジ高値157.101をダウ上昇→目標日足戻り高値157.820
(B)4H足レンジ内:1H足押し安値156.588付近へ下落→転換上昇→目標4H足戻り高値156.948

②Short
(C)4H足・1H足レンジブレイク:1H足押し安値156.588をダウ下落→目標日足押し安値156.182

5月通算:12勝6敗、勝率66.7%、+261.2pips

(Trading View)

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