2023年10月27日(金)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)10/26の欧米マーケット影響
欧州オープン直前に「米国債利回り上昇→ドル買い」を背景に日足高値150.78を付けた直後、「政府・日銀の為替介入警戒感の高まり→ロング勢の決済」が入ったためか日足安値149.89へ急落。
注目の実質GDPはサプライズの強い数値。一方で同刻発表指標は強弱入り交じる数値。市場はPCEコアドル円下落。その後、米国中古住宅販売成約指数でドル円上昇、米国7年債入札好調でドル円下落。
「中東情勢動向の急速な悪化なし→原油供給不安後退→前日の原油先物価格上昇が全戻し→巻き戻しドル売り・円買い」もドル円下落に寄与。総じて欧州オープン直前の急騰急落を受けて揉み合い展開。
日足終値150.40。

(2)経済指標
・東京消費者物価指数
・米国個人所得、個人支出
・米国PCEデフレータ
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、インフレ予測

(3)要人発言
・政府日銀の円安牽制
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック・ティミラオス氏(Twitter):ブラックアウト期間(10/21~11/2)のため、いつもの様に発言や記事に要注意。

(4)その他
・中東情勢の地政学リスクオフ
・日銀金融政策に関わる報道
・TOM(Turn of the Month)効果(アノマリー)
株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中しやすい。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」になり得る。

本日も、151円付近まで急騰したことで政府日銀の円安牽制や為替介入への警戒が高まる。但し、前日様な弱い表現の牽制ならば反応薄い見込み。今までより強い牽制が出てもファンダメンタルズに沿っていないことから、下落は一時的で押し目買いの機会となる。
また、最大の注目はFRB金融政策への影響が大きい米国PCEデフレータ。
150.00下値が固くなってきたことからドル円上昇継続の可能性高いが、中東情勢の緊張も高まっていることから週跨ぎでポジション持越しを避けたいロング勢の決済で一時的な急落にも要警戒。

<材料とドル・円方向性>
①「中東情勢悪化→安全資産の米国債買い→米国債利回り低下→ドル売り」
②-1「中東情勢悪化→原油先物価格上昇→インフレ懸念→米国債利回り上昇→ドル買い」
②-2「中東情勢悪化→原油先物価格上昇→インフレ懸念→日本貿易収支悪化懸念→円売り」
③-1「中東情勢悪化→地政学リスクオフ円買い」
③-2「中東情勢悪化→景気悪化懸念→株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」
④「中東情勢悪化→有事のゴールド買い→ドル売り」
⑤「政府日銀の円安牽制警戒、日銀政策修正観測→ドル売り・円買い」
⑥-1「米国経済指標の強い数値→米国債利回り上昇→ドル買い」
⑥-2「米国経済指標の弱い数値→米国債利回り低下→ドル売り」
⑦-1「FRB要人のタカ派発言→米国債利回り上昇→ドル買い」
⑦-2「FRB要人のハト派発言→米国債利回り低下→ドル買い」
⑧-1「米国財政赤字拡大→米国債供給量増加→米国債利回り上昇→ドル買い」
⑧-2「米国財政赤字拡大→米国経済悪化懸念→ドル売り」
⑨-1「米国10年債利回り5%突破→ポートフォリオへの組み入れ需要増→米国債価格上昇→米国債利回り低下→ドル売り」
⑨-2「米国10年債利回り5%突破→ポートフォリオへの組み入れ需要増→米国外投資家のドル需要増→ドル買い」

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:30 経済指標
東京消費者物価指数
全国消費者物価指数の先行指標で日本国内のインフレが進んでいる中で注目度が高まっている。
前年比:前回2.8%(改定)、予想2.8%、結果3.3%(◎)
コア前年比:前回2.5%(改定)、予想2.5%、結果2.7%(◎)
コアコアCPI前年比:前回3.8%(改定)、予想3.7%、結果3.8%(○)
都区部物価、10月2.7%上昇 4カ月ぶりに伸び拡大(日本経済新聞

【考察】強い数値→ドル円下落。しかし一時的。

8:46~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:9/19/89/229/269/289/2910/210/310/410/610/1010/1310/20, 10/26
強い緊張感持って万全の対応行う、1ドル=150円台定着で-鈴木財務相(Bloomberg

【考察】円安牽制発言→ドル円下落小で即上昇。

東京マーケット(9:00~15:00)

13:30 要人発言
【イスラエル】軍が二夜連続で限定的な地上戦-空爆も続ける(Bloomberg

【考察】前日の地上侵攻延期合意に反する発言→地政学リスクオフ

16:47 要人発言
イスラエル
エジプト命中の飛翔体、詳細不明

【考察】地政学リスクオフ拡大

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

21:30 経済指標
米国個人所得:前回0.4%(改定)、予想0.4%、結果0.3%(×)
米国個人支出:前回0.4%(改定)、予想0.4%、結果07%(◎)

21:30 経済指標
米国PCEデフレータ(過去の発表日:10/2812/112/231/272/243/314/285/266/307/288/31, 9/29, 10/27)
強い数値なら、「インフレへの警戒感が高まり→FF金利のターミナルレート上昇する可能性→ドル買い材料」
前年比:前回3.5%(改定3.4)、予想3.4%、結果3.4%(○)
前月比:前回0.4%(改定)、予想0.4%、結果0.4%(○)
コア前年比:前回3.9%(改定3.8)、予想3.7%、結果3.7%(○)
コア前月比:前回0.1%(改定)、予想0.1%、結果0.3%(◎)

【考察】総じて強い数値であったが、ドル円下落継続。

21:50 報道
イスラエル、ハマスが停戦協定交渉

【考察】中東地政学リスクオフ後退→原油先物価格下落→巻き戻しのドル売り・円買い→ドル円下落継続。

23:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(過去の速報値発表日;10/1411/1112/91/132/103/174/145/126/167/148/119/15, 10/13
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70%を占める個人消費の動向を確認できる。

前回63.0、予想63.0、結果63.8(◎)

米国ミシガン大学インフレ予測
1年先:前回3.8%、予想3.8%、結果4.2%(◎)
5年先:前回3.0%、予想3.0%、結果3.0%(○)

【考察】強い数値だがドル円下落継続。

23:52 報道
イスラエル、長期停戦拒否

【考察】中東地政学リスクオフ再燃→ドル円下落継続

25:43 報道
イスラエル、ガザに最大規模の攻撃開始

【考察】地政学リスクオフ→ドル円下落継続

26:34 報道
イスラエル、地上作戦拡大
【イスラエル】ガザ地区で軍が地上活動「拡大」、人質交渉進展か(Bloomberg

【考察】地政学リスクオフ→ドル円下落継続

28:30 経済指標
IMM通貨先物10/24時点(ポジション推移
円ショート縮小

【考察】円買い材料

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値150.40。
日足高値150.42を付けた後、「米国債利回り低下→ドル売り」、「株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」が進み東京安値150.08へ下落継続。新たなドル売り材料が生じていないことから、前日の米国GDP速報値PCEコアデフレータが弱い数値だったことで、本日の米国PCEデフレータも弱い可能性を見込んだ織り込みや週末持越しを避けたいロング勢の決済が入ったか。
「株先物・株価指数上昇→リスク円売り」の影響は見られず。

きょうの国内市況(10月27日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後も、東京マーケットからの「米国債利回り低下→ドル売り」、「株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」。注目された米国PCEデフレータは総じて強い数値、米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値・インフレ予測も強い数値にも関わらずドル円下落継続。「停戦交渉報道→中東地政学リスクオフ後退→原油先物価格下落」もドル円下落に寄与。
中東情勢はリスクオフ・リスクオンの情報が錯綜していたが、「イスラエル軍事行動拡大で中東情勢が一気に悪化→地政学リスクオフ円買い」でドル円下落継続し、日足安値149.46
総じて、米国経済指標の強い数値の反応は見られず、「米国債利回り低下→ドル売り」、「株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」、「中東情勢急速な悪化→地政学リスクオフ円買い」でドル円下落。今週の上昇分を一日で全戻し下落。
日足終値149.64。

【米国市況】S&P500続落、7月高値からの下落率10%超-149円後半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

米国債イールドカーブ

10/27(金)は10/26(木)に対しブル(短期金利低下、長期金利低下)、逆イールド縮小。ドル売り買い材料交錯(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

FOMCの利上げ幅見通し(CME FedWatch Tool
11月公表:25bps引き下げ2.6%、据え置き97.4%、25bps引き上げ0.0%

テクニカル分析

トレード

  • 月足:10月陽線形成中。レンジ内の上昇トレンドでレンジ実体上限到達。ボリンジャーバンド(BB)スクーズしつつあり。
  • 週足:10/23週、陽線形成中。上昇トレンド。
  • 日足:10/26陽線。BBエクスパンション移行中。
  • 4H足:上昇トレンド。BBエクスパンション。
  • 1H足:レンジ。BBスクイーズ。
  • 15M足:レンジ。BBスクイーズ。

【シナリオ】

①ロング
(A)1H足レジスタンス150.492をダウ上昇→目標1H足レジスタンス150.779

②ショート
(B)1H足レジスタンス150.492付近まで上昇→ダウ転換下落→目標1H足サポート150.192
(C)1H足サポート150.192をダウ下落→目標ラウンドナンバー150.000

10月通算:8勝7敗、勝率53.3%、獲得Pips +100.3

(Trading View)

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