2024年5月31日(金)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>

(1)経済指標
・東京消費者物価指数
・外国為替平衡操作の実施状況
・日銀、国債買入オペ通知
・日銀、6月国債買い入れ日程公表
・米国PCE、PCEデフレータ
・米国シカゴ購買部協会景気指数

(2)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人

(3)その他
・IMM通貨先物ポジション
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」の傾向。
特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→円売り→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・月末ロンドンフィックス
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア、台中)

本日の注目材料は4点。

①日銀、国債買入オペ通知
5/7(火)据え置き→ドル円急上昇
5/13(月)減額(円安対応観測)→ドル円急落から全戻し上昇
5/17(金)据え置き→5/13に続いて減額警戒感のなか、据え置きだったことで安心感の強い円売り発生しドル円急上昇
5/23(木)据え置き→織り込み済みだったためか上昇続かず、台中地政学リスクオフも交錯し、Sell the factの様な動きで下落。

5/25植田日銀総裁、5/27内田日銀副総裁、5/28安達日銀審議委員のタカ派発言の影響を受け、5/30(木)には日本10年国債利回り1.1%と2011年7月以来、約13年ぶりの高水準を付けました。
つまり、日銀は利回り上昇より円安対応を優先している様子が伺えます。

従って、以下の様な動きを想定します。
(1)5/13(月)同様に円安対応のオペ減額→ドル円下落。
しかし、前日ドル円急落にオペ減額織り込みが入っており、Buy the factも交錯しドル円乱高下の可能性もあります。

(2)5/7、5/17、23同様に据え置き→ドル円急上昇。
日銀が利回り上昇より円安対応を優先している可能性があるとは言え利回り急上昇も避けたいはず。前日ドル円急落を受けて据え置きしやすい相場環境になったと考えます。
但し、一気に158円台乗せのような急騰となれば、円安牽制発言、日銀早期金融政策正常化に関する要人発言や報道のヘッドラインが想定されます。サプライズでない限り、一時的にドル円下落が生じても押し目買い機会になると考えます。

②日銀、6月国債買い入れ日程公表
以下の様な動きを想定します。
(1)対5月度から減額→ドル円下落
(2)対5月度を据え置き→ドル円上昇

③米国経済指標
本日最大の注目は米国PCEデフレータです。
サプライズあれば初動は「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きを想定します。

④米国FRB要人発言
5/20(月)週から総じてFRB要人発言タカ派発言が続いていましたが、5/30はFRB要人からハト派寄りの発言も出てきました。本日注目の米国PCEデフレータを受けての発言において、「タカ派発言→ドル円上昇」、「ハト派発言→ドル円下落」を想定します。

マーケット動向

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:30 経済指標
東京消費者物価指数(政府統計の総合窓口
全国消費者物価指数の先行指標で日本国内のインフレが進んでいる中で注目度が高まっています。
日銀物価目標2.0%。日銀政策金利0.0-0.1%
前年比:前回1.8%(改定)、予想2.2%、結果2.2%(○)
コア前年比:前回1.6%(改定)、予想1.9%、結果1.9%(○)
コアコアCPI前年比:前回1.8%(改定)、予想1.8%、結果1.7%(×)
東京消費者物価3カ月ぶり伸び拡大、日銀政策正常化へ見極め続く(Bloomberg

【考察】総じて強い数値。しかし日銀物価目標2.0%付近であり、日銀早期利上げ材料と見なされずドル円上昇。

東京マーケット(9:00~15:00)

9:40~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:4/14/24/44/54/94/114/124/154/164/174/184/194/234/254/265/35/85/95/105/145/215/24, 5/28, 5/31)
:前回5/28円安牽制発言
為替の行き過ぎた動きに適切に対応する考えに変わりない-鈴木財務相(Bloomberg

【考察】円安牽制発言。直後の日銀国債買入オペ据え置きで157円台乗せを防ぐ目的もあったと推測されます。ドル円下落。

10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知(日本銀行
(過去の発表日:5/75/135/17, 5/23, 5/31)
3~5年債:前回4250億円、結果4250億円(○)
5~10年債:前回4250億円、結果4250億円(○)
10~25年債:前回1500億円、結果1500億円(○)
25年超債:前回750億円、結果750億円(○)
物価連動債:前回600億円、結果600億円(○)

【考察】
発表前:鈴木財務相の円安牽制発言で下落。
発表後:警戒されていた減額なく据え置き。初動156.93へ上昇。しかし、5/23(木)据え置き発表同様、織り込み済みだったためか、Sell the factで東京安値156.57へ下落しました。
鈴木財務相の円安牽制発言の影響続き乱高下するも、買入オペ据え置きは円売り材料に変わりなくリスクオン日本株上昇に支えられると東京引けに掛けて揉み合い上昇。

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

17:00 経済指標
日銀、6月度国債買入予定

【考察】警戒されていた減額なく据え置き。東京マーケットの日銀国債買入オペ通知据え置きと異なりドル円上昇継続。日本勢と違い海外勢は安心の円売り材料と判断した様子。

19:00 経済指標
外国為替平衡操作の実施状況(財務省
予想9.4兆円、結果9.7885兆円
為替介入額は9兆7885億円、29日までの1カ月間-過去最大(Bloomberg

【考察】市場予想を上回ると介入効果への疑問から円売りが進む見方もありました。しかし、介入原資(4月末時点、即投入可能1577億ドル、米国債等証券9780億ドル)は残されていることから介入警戒や注目の米国PCEデフレータを控えてドル円揉み合い。

21:30 経済指標
米国PCE
個人所得:前回0.5%(改定)、予想0.4%、結果0.3%(×)
個人支出:前回0.8%(改定0.7)、予想0.3%、結果0.2%(×)

米国PCEデフレータ(過去の発表日:5/266/307/288/319/2910/2711/3012/221/262/293/29, 4/26, 5/31)
強い数値なら、「インフレへの警戒感→FF金利上昇する可能性→ドル買い材料」
前年比:前回2.7%(改定)、予想2.7%、結果2.7%(○)
前月比:前回0.3%(改定)、予想0.4%、結果0.3%(△)
コア前年比:前回2.8%(改定)、予想2.8%、結果2.8%(○)
コア前月比:前回0.3%(改定)、予想0.3%、結果0.2%(×)
米PCEコア価格指数、4月は伸び鈍化-実質支出は予想外の減少(Bloomberg

【考察】
発表前:リスクオン欧州株上昇、日銀6月度国債買入予定据え置きに連れてドル円上昇から、発表前にロング勢決済入り下落。直前157.13。
発表後:米国PCE(弱)、米国PCEデフレータ強弱混在。米国PCEデフレータの中でも注目度の高いコア前月比(×)が材料視され初動156.75(4H足ダウ高値156.84付近)へ急落。

21:56~要人発言
米国ブリンケン国務長官
「バイデン大統領、ロシア国内での米国兵器の使用を承認」
米、ウクライナによるロシア領内への米供与兵器使用を容認=国務長官(Reuters

【考察】前日同様の発言のウクライナ・ロシア地政学リスクオフ。ドル円下落。

22:45 経済指標
米国シカゴ購買部協会景気指数
米国ISM製造業景気指数の前営業日に発表される同指標の先行指標。
基準50、前回37.9(改定)、予想41.6、結果35.4(×)

【考察】サプライズの弱い数値。ドル円下落

23:00 経済指標
米国アトランタ連銀GDP Now(US Atlanta Fed
米国アトランタ連銀が各種経済指標を基に算出した米国実質GDPの先行指標です。比較的精度が高いことから市場の注目度が上がっています。
Q2:前回3.5%、予想3.5%、結果2.7%(×)

【考察】弱い数値。

24:00 月末ロンドンフィックス
前後の時間帯でポジション調整によって不規則な乱高下生じやすい。

【考察】ドル円急騰

26:33~要人発言
米国バイデン大統領
バイデン米大統領、ハマスとイスラエルに停戦訴え-3段階の工程表(Bloomberg

【考察】中東地政学リスクオフ後退。ドル円上昇

28:30 経済指標
IMM通貨先物5/28時点(ポジション推移
円ショート拡大

【考察】ドル円反応薄。

29:26~要人発言
ハマス
「バイデン大統領の停戦提案を前向き検討」

【考察】中東地政学リスクオフ後退。ドル円揉み合い。

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値156.82
取引開始直後は米国実質GDP改定値(×)の米国債利回り低下を好感したリスクオン継続のドル円上昇。

東京消費者物価指数は総じて強い数値でしたが日銀物価目標2.0%付近であり日銀早期金融引き締め材料と見なされず、東京オープン直後に東京高値157.02を付けました。

月末仲値に向けて実需勢のポジション調整ドル売りと鈴木財務相の円安牽制発言で156.60へ下落後、注目の日銀国債買入オペ通知据え置きを受けて初動156.93へ上昇。
しかし、5/23(木)据え置き発表同様、織り込み済みだったためか、Sell the factの動きで東京安値156.57(4H足押し安値156.64付近)へ下落しました。鈴木財務相の円安牽制発言の影響と交錯し乱高下続くも、買入オペ据え置きは円売り材料に変わりなくリスクオン日本株上昇に支えられると東京引けに掛けて揉み合い上昇。

【日本市況】債券が再び売られる、金融株買われTOPIX3月来高値(Bloomberg

欧米マーケット:
今週の傾向である欧州勢のドル買い参入が継続、リスクオン欧州株上昇、日銀6月度国債買入予定据え置き発表に連れて日通し高値157.37へ上昇しました。

4/26~5/29為替介入額9兆7885億円と判明。市場予想を上回ると介入効果への疑問から円売りが進む見方もありましたが、注目の米国PCEデフレータを控えてドル円揉み合いからロング勢決済入り下落。

注目の米国PCEデフレータは強弱混在でしたが、米国PCE(×)、米国PCEデフレータの中でも注目度の高いコア前月比(×)が材料視され初動156.75(4H足ダウ高値156.84付近)へ急落しました。

更に、米国ブリンケン国務長官がバイデン大統領がロシア国内で米兵器使用承認したと伝わると地政学リスクオフ、米国シカゴ購買部協会景気指数(×)により日足安値156.56を付けました。

ところが、月末ロンドンフィックスに掛けてポジション調整の強いドル買い円売り発生、かつ米国PCE(×)、米国PCEデフレータコア前月比(×)を好感したリスクオン米株上昇に連れてドル円急騰。
米国PCE・米国PCEデフレータの下落分は全戻しし、2月度・3月度月末と同様の動きになりました。

その後、米国バイデン大統領とハマス発言による中東地政学リスクオフ後退もドル円上昇を後押しして引けました。
日足終値157.30

【米国市況】S&P500は3日ぶり上昇、最終盤に反転-157円台前半(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

<ドル売り優勢>
買い材料:
・米国PCEデフレータ:前年比(○)、コア前年比(○)

売り材料:
・月末仲値に向けて実需勢のポジション調整
・米国PCE(×)
・米国PCEデフレータ:前月比(△)、コア前月比(×)
・米国シカゴ購買部協会景気指数(×)
・米国アトランタ連銀GDP Now(×)

<円売り優勢>
買い材料:
・鈴木財務相の円安牽制発言
・ウクライナ・ロシア地政学リスクオフ

売り材料:
・日銀、国債買入オペ通知(○)
・日銀、6月度国債買入予定発表(据え置き)
・リスクオン日本株上昇(海外勢為替ヘッジ円売り)
・米国PCE(×)、米国PCEデフレータ:前月比(△)、コア前月比(×)、米国シカゴ購買部協会景気指数(×)→リスクオン米株上昇
・中東地政学リスクオフ後退
・IMM通貨先物5/28時点(円ショート拡大)

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
次回6月12日公表:据え置き98.7%
初回利下げ観測11月7日公表:25bp引き下げ46.5%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利500~525bps相当

テクニカル分析

Trade

  • 月足:5月陰線形成中。上昇トレンド。
  • 週足:5/27週、十字線形成中。上昇トレンド。
  • 日足:5/30陰線。レンジ上限へレジサポ。
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:下降チャネル。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】
①Long
(A)1H足レンジ上限156.838をダウ上昇→目標4H足押し安値157.095
(B)4H足押し安値157.095をダウ上昇→目標4H足三尊肩157.376

②Short
(C)4H足押し安値157.095付近へ上昇→転換下落→目標4H足押し安値156.642
(D)4H足押し安値156.642をダウ下落→目標日足安値156.373

5月通算:14勝9敗、勝率60.9%、+271.7pips

(Trading View)

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