ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)2/14の欧米マーケット影響
前日米国CPIの強い数値を受けても米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のハト派・タカ派発言交錯したことで、ドル円乱高下し、米国バーFRB副議長のタカ派発言で上昇。
日足終値150.60
(2)経済指標
・日本GDP速報値
・米国NY連銀製造業景気指数
・米国小売売上高
・米国輸入物価指数、輸出物価指数
・米国鉱工業生産指数、設備稼働率
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国フィラデルフィア連銀景況指数
・米国鉱工業生産指数、設備稼働率
(3)要人発言
・政府日銀円安牽制発言
・FRB要人
(4)その他
・五十日仲値
・中東地政学リスクオフ
本日注目材料は3点。
①米国経済指標
米国小売売上高を含め、注目度の高い指標が発表されます。素直に総じて強い数値ならドル円上昇、弱い数値ならドル円下落見込み。但し、強弱混在する可能性も高く、その場合、ドル円乱高下に警戒したい。
②FRB要人発言
米国経済指標を受けての発言に注目ですが、タカ派発言が出やすい環境であることから、ドル円上昇を後押しすると推測します。
③中東地政学リスクオフ
米軍報復が開始されたことで原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:50 経済指標
日本実質GDP速報値第4四半期(内閣府)
前期比:前回果-0.7%(改定-0.8)、予想0.4%、結果-0.1%(△)
前期比年率:前回-2.9%(改定-3.3)、予想1.4%、結果-0.4%(△)
GDPデフレータ(=名目GDP/実質GDP)前年比:前回5.3%(改定5.2)、予想3.9%、結果3.8%(×)
<参考>
23年10月日銀公表、経済・物価情勢の展望
23年度実質GDP2.0%
24年度実質GDP1.0%
10~12月実質GDPは2期連続マイナス、日銀正常化観測に冷や水(Bloomberg)
【考察】総じて弱い数値。日銀金融政策修正後退観測でドル円上昇。しかし、実質GDP2期連続マイナスや個人消費3期連続マイナス。テクニカルリセッション入り。よって、金融緩和継続期待で株上昇しているだけが明確になりました。円売り材料ですが、前日政府要人の円安牽制発言影響継続のためか直ぐに全戻し下落。
東京マーケット(9:00~15:00)
9:55 五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国NY連銀製造業景気指数
米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数や米国ISM製造業購買担当者景気指数の先行指標として注目されます。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」。
:前回1/16は弱い数値でドル円下落。
(過去の発表日; 1/16, 2/15)
基準0、前回-43.7、予想-10.0、結果-2.4(◎)
22:30 経済指標
米国小売売上高
個人消費が米国GDPの約2/3を占めており、その動向を表す小売売上高の注目は高い。米国個人消費や米国消費者信頼感とも相関性があることからも重要な指標。特にコア指数が重要視されます。
:前回1/17は強い数値でドル円上昇。
(過去の発表日; 2/15, 3/15, 4/14, 5/16, 6/15, 7/18, 8/15, 9/14, 10/17, 11/15, 12/14, 1/17, 2/15)
前月比:前回0.6%(改定0.4)、予想0.1%、結果-0.8%(×)
コア前月比:前回0.4%(改定)、予想0.3%、結果-0.6%(×)
米小売売上高、1月は約1年ぶりの大幅減-個人消費に一服感(Bloomberg)
22:30 経済指標
米国輸入物価指数
前月比:前回0.0%(改定-0.7)、予想-0.1%、結果0.8%(◎)
前年比:前回-1.6%(改定-2.4)、予想-1.3%、結果-1.3%(○)
米国輸出物価指数
前月比:前回-0.9%(改定-0.7)、予想-0.2%、結果0.8%(◎)
前年比:前回-3.2%(改定-2.9)、予想-%、結果-2.4%(◎)
22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
:前回2/8は強い数値でドル円上昇。
(過去の発表日; 2/8, 2/15)
前回21.8万件(改定22.0)、予想22.0万件、結果21.2万件(◎)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回187.1万件(改定186.5)、予想188.0万件、結果189.5万件(×)
22:30 経済指標
米国フィラデルフィア連銀景況指数
米国ISM製造業購買担当者景気指数と相関性あるため注目される。「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
:前回1/18は強い数値かつ同刻発表指標も強くドル円上昇。
(過去の発表日; 1/18, 2/15)
基準0、前回-10.6(改定-)、予想-9.0、結果5.2(◎)
【考察】
発表前:直前149.99。
発表後:弱い数値。初動日足安値149.53へ急落。しかし、同刻発表の他指標は総じて強く乱高下。
23:15 経済指標
米国鉱工業生産指数
鉱工業部門の生産動向を数値化したもので景気実態を把握する速報性に優れることから注目度が高い。
:前回1/17は総じて強い数値でドル円上昇。
(過去の発表日; 1/17, 2/15)
前回0.1%(改定0.0)、予想0.2%、結果-0.1%(×)
米国設備稼働率
生産能力に対する実際の生産量の比率。設備投資とインフレの先行指標であることから注目度高い。
前回78.6%(改定)、予想78.9%、結果78.5%(×)
27:15~要人発言
米国ウォラーFRB理事
:政策スタンスは中立。前回2/14は金利見通しに関する発言なし
(過去の発言:7/14, 9/5, 10/10, 10/11, 10/18, 11/7, 11/28, 1/16, 2/14, 2/15)
【考察】金利見通しに関する発言なし
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値かつ日足高値150.60
前日政府要人の円安牽制発言影響継続のためか円買い優勢、米国債利回り低下も加わり日通し安値150.08へ急落。株上昇
きょうの国内市況(2月15日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン後も東京マーケットの流れ継続し日通し安値149.93更新し150円割れ。
注目の米国小売売上高は弱い数値で初動日足安値149.53へ急落。しかし、同刻発表の他指標は総じて強く乱高下。
米国鉱工業生産の弱い数値で下落するも、下値149円台は押し目買いも強く再び乱高下。
日足終値149.94
【米国市況】S&P500最高値更新、国債利回り低下-ドル全面安(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・2/15ドル売り優勢
ドル買い:原油先物価格上昇
ドル売り:米国小売売上高、米国鉱工業生産の弱い数値。
・2/15円買い優勢
円買い:前日政府要人の円安牽制発言影響継続
円売り:日本GDP速報値の弱い数値、株上昇、原油先物価格上昇
円安を助長する新NISA、日本の個人投資家は世界の株式や債券選好(Bloomberg)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
3月20日公表:25bp引き下げ10.5%、据え置き89.5%
5月1日公表:25bp引き下げ36.5%、据え置き60.1%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:2月陽線形成中。三尊右肩付近
- 週足:2/12週、陽線形成中。20MAに対しレジサポ形成し上昇トレンド。2/12週は一旦下押しがあっても直近高値151.41へ向かい上昇優勢。
- 日足:2/14陰線。トレンド。BBエクスパンション、+2σ付近。
- 4H足:レンジ。BBスクイーズ、+1σ付近。
- 1H足:下降チャネル。BBスクイーズ
- 15M足:上昇トレンド。BBエクスパンション
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足チャネル下限付近へ下落→ダウ転換上昇→目標1H足チャネル上限
(B)1H足チャネル上限をダウ上昇→目標1H足レジスタンス150.870
(C)1H足レジスタンス150.870をダウ上昇→目標4H足レジスタンス151.300
②ショート
(D)1H足チャネル上限付近へ上昇→ダウ転換下落→目標4H足サポート150.424
2月通算:5勝6敗、勝率45.5%、獲得Pips +10.9
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