2024年3月8日(金)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)3/7の欧米マーケット影響
欧州オープン前に、連合の賃上げ要求5%以上発言も加わり、日通し安値147.81へ急落。日銀政策修正観測から投機筋円売りポジション解消の可能性もあり。
ECB声明ハト派発言による欧州国債利回り低下が米国債利回り低下に波及し、日足安値147.59(日足押し安値ヒゲ先147.61付近)まで下落継続。
その後、ラガルドECB総裁のタカ派発言、米国ボウマンFRB理事のタカ派発言、米国パウエルFRB議長のタカ派・ハト派発言交錯、米国メスター・クリーブランド連銀総裁のタカ派発言を受けてドル円揉み合い。
日足終値148.03

(2)経済指標
・日本国際収支
・米国雇用統計

(3)要人発言
・政府日銀要人
・米国バイデン大統領(一般教書演説)
・FRB要人

(4)その他
・実質五十日仲値(3/10休場につき)
・IMM通貨先物ポジション
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円はやや円高か、米イベントに注目-期末の円買い(Bloomberg
【債券週間展望】長期金利上昇か、10年入札は日銀政策修正に警戒強い(Bloomberg
【日本株週間展望】続伸、FRB議長証言で波乱リスクも-SQ警戒(Bloomberg

本日注目材料は3点。

①米国経済指標
本日最大の注目は米国雇用統計
過去12/8, 1/5は強い数値でもドル円全戻し下落となりましたが、2/2は強い数値で素直にドル円急騰。前日3/6,3/7パウエルFRB議長の議会証言で利下げはデータ次第と改めて示されており、強い数値なら素直にドル円上昇、弱い数値なら下落は一時的で上昇に転じやすいと推測します。

②FRB要人発言
米国経済指標を受けての発言に注目ですがタカ派発言が出やすい環境であることから、ドル円上昇を後押しすると推測します。

③中東地政学リスクオフ
米軍報復が開始されたことで原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買いによる材料交錯が生じるため、どの材料の影響が強いか見極め必要。基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすいと考えます。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:50 経済指標
日本国際収支
経常収支:前回7443億円(改定)、予想-3325億円、結果億4282円(○)
経常収支(季調済):前回18100億円(改定)、予想20696億円、結果27275億円(◎)
貿易収支:前回1155億円、予想-15100億円、結果-14427億円(○)
経常黒字、1月は4382億円 資源高一服で輸入減(日本経済新聞

東京マーケット(9:00~15:00)

9:55 実質五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。

11:00~要人発言
米国バイデン大統領(一般教書演説)
バイデン米大統領、トランプ氏との対決姿勢を鮮明に-一般教書演説(Bloomberg

11:33~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:12/151/192/92/142/162/202/223/5, 3/7, 3/8)
:前回3/7為替介入正当化
デフレから脱却したとは考えず=鈴木財務相(Reuters

【考察】デフレ脱却否定。相場環境は3月マイナス金利解除に傾いているためかドル円上昇薄。

欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)

18:18 報道
日銀、国債買い入れ規模を示す新たな量的金融政策の枠組みを検討

【考察】日銀政策修正観測。ドル円下落

18:37 報道
日銀、3月のマイナス金利解除に傾く政策委員が増加-報道(Bloomberg

【考察】3/6の3月マイナス金利解除支持少なくとも1名報道よりタカ派。ドル円下落継続

21:17~要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
:政策スタンスは中立。前回3/1タカ派発言
(過去の発言:11/1611/2811/3012/151/101/172/232/28, 3/1, 3/8)
NY連銀総裁、中立金利「なおかなり低い」可能性(Reuters

【考察】金融政策や経済見通しには言及なし。

22:30 経済指標
米国雇用統計
(過去の発表日;3/104/75/56/27/78/49/110/611/312/81/5, 2/2, 3/8)
FRBの金融政策に大きな影響を与える重要経済指標。
非農業部門雇用者数:前回35.3万人(改定22.9)、予想20.0万人、結果27.5万人(◎)
失業率:前回3.7%(改定)、予想3.7%、結果3.9%(×)
平均時給
前月比:前回0.6%(改定0.5)、予想0.3%、結果0.1%(×)
前年比:前回4.5%(改定4.4)、予想4.4%、結果4.3%(×)
米失業率2年ぶり高水準、労働市場に減速感-雇用者数は伸び堅調(Bloomberg

【考察】
発表前:3月日銀会合でのマイナス金利解除観測の影響強くドル円下落。直前147.15
発表後:総じて弱い数値。初動非農業部門雇用者数の強い数値から147.50へ上振れるも、日足安値146.48へ急落。

23:40~要人発言
米国イエレン財務長官
「バイデン政権の最優先事項は高物価・生活費の緩和」
「住宅は依然懸念事項」

【考察】タカ派発言。ドル円上昇

28:08~要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
:政策スタンスは中立。前回3/1金利見通しへのコメントなし。
(過去の発言:1/111/121/192/22/52/142/29, 3/1, 3/8)
米シカゴ連銀総裁、FRBは年内に利下げへ-インフレ2%に戻す必要(Bloomberg

【考察】タカ派発言

29:30 経済指標
IMM通貨先物3/5時点(ポジション推移
円ショート縮小

【考察】円買い材料

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値148.03
オープン直後、前日パウエルFRB議長のハト派発言の影響を引き継ぎ東京安値147.52へ急落するも、日本株上昇リスクオンに支えられ東京高値・日足高値148.12へ急反発。その後、米国雇用統計を控えて揉み合い展開。

きょうの国内市況(3月8日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後、日銀の新たな国債買い入れ枠組み検討報道、3月日銀会合でマイナス金利解除支持委員増加報道を受け、日通し安値146.87へ急落。
米国雇用統計は総じて弱い数値。初動非農業部門雇用者数の強い数値から147.50へ上振れるも、日足安値146.48へ急落。しかし、NYマーケットオープンすると、株上昇リスクオンと米国イエレン財務長官のタカ派発言につれてほぼ全戻し上昇。
日足終値147.08

【米国市況】S&P500種は反落、買われ過ぎの兆候-ドル147円近辺(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・ドル売り優勢
買い:米国イエレン財務長官のタカ派発言
売り:米国雇用統計の弱い数値

・円買い優勢
買い:日本株上昇、日銀の新たな国債買い入れ枠組み検討・3月日銀会合でマイナス金利解除支持委員増加報道
売り:

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
3月20日公表:25bp引き下げ3.0%、据え置き97.0%
5月1日公表:25bp引き下げ24.5%、据え置き74.8%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当

テクニカル分析

トレード

  • 月足:3月陽線形成中。三尊右肩付近
  • 週足:3/4週、陰線形成中。レンジ。押し安値かつ20MA付近へ下落中。
  • 日足:3/7大陰線。レンジ。押し安値かつBB-2σ付近。よって3/8は押し目買い優勢と推測。
  • 4H足:下降トレンド。BB-2σ付近。
  • 1H足:レンジ。20MA付近。
  • 15M足:レンジ。20MA付近。

【シナリオ】
①ロング
(A)4H足レジスタンス148.302かつ1H足20MAをダウ上昇→目標4H足レジスタンス148.628

②ショート
(B)4H足レジスタンス148.302付近へ上昇→ダウ転換下落→目標4H足サポート147.765
(C)4H足サポート147.765をダウ下落→目標4H足サポート147.129

3月通算:2勝0敗、獲得Pips +25.0

(Trading View)

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