ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)5/3の欧米マーケット影響
米国雇用統計は全て弱い数値のサプライズ。日足安値151.86へ急落。しかし、152.00付近への急落はドルを安値で買い損ねていた実需勢の好機、インフレ鈍化を好感したリスクオン株上昇が生じて急反発、加えて米国PMI確報値(強)、米国ボウマンFRB理事、米国グールズビー・シカゴ連銀総裁とタカ派発言の影響強く上昇。但し、153.00付近は戻り売りも強く引けに掛けて揉み合い。
日足終値152.98
(2)経済指標
・特になし。
(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人
(4)その他
・日本祝日休場(振替休日)
・英国祝日休場(Early May bank holiday、アーリー・メイ・バンクホリデー)
・米国主要企業決算
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円は上値の重い展開か、低流動性下での介入リスクに警戒(Bloomberg)
【債券週間展望】長期金利に上昇圧力、日銀のオペと主な意見に注目(Bloomberg)
本日の注目材料は4点。
①5/1政府日銀為替介入観測の影響
4/29に続き、5/1も政府・日銀為替介入観測発生しました。市場ではあと1回は為替介入実施の可能性が高いとの見方もあります。加えて、リパトリ減税報道や追加利上げ前倒し観測も出てきており、IMM通貨先物4/30時点円ショートも縮小しました。従って、円買い主導のドル円下落は生じやすい環境です。
但し、152、151円台はドル安値を買い損ねていた実需勢の好機には変わりなく、急落が生じれば押し目買いが入りやすい展開を想定します。
34年ぶりの円安水準で注目される「リパトリ減税」導入、6月の骨太方針に明記の可能性も(産経新聞)
日銀の利上げペース、市場想定より速まる可能性も-物価予想通りなら(Bloomberg)
②5/3米国雇用統計(弱)の影響
全て弱い数値のサプライズ。急落後に戻しも入ったとは言え、一度は152円台前半へ下押ししやすい環境にあると推測します。但し、ソフトランディング期待のリスクオンが続けば押し目買いの好機。
③米国要人発言
5/3は米国雇用統計(弱)を受けてもFRB要人タカ派発言相次いだことで、本日もタカ派発言を想定。従って下押ししたタイミングでのタカ派発言であれば押し目買いの好機と推測します。
加えて、休場中5/4には米国イエレン財務長官より強い為替介入牽制発言(前回4/25牽制発言)が出ました。追加の政府・日銀為替介入へ及び腰になるとの観測もありますが円売りが再開されるかに注目したい。
米財務長官、為替介入「まれであるべきだ」-慎重姿勢示す(Bloomberg)
④中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。特にイスラエルを巡る中東地政学リスクオフに関するヘッドラインに注視したい。
原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い材料交錯しますが、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすい。
戦闘激化となれば一時的に強いリスクオフに伴うドル円急落に警戒必要ですが、この場合でも押し目買いの機会になりやすいと推測します。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
24:35 要人発言
イスラエル国防相
「ハマスがいかなる合意も拒否。ラファで軍事作戦を開始せざるを得なくなった」
【考察】中東地政学リスクオフ
25:33 報道
イスラム組織ハマス、カタールとエジプトによる停戦案合意
【考察】中東地政学リスクオフ後退
25:47~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:1/3, 1/5, 1/11, 2/7, 2/8, 2/12, 2/16, 2/21, 3/1, 4/4, 4/10, 4/11, 4/16, 4/19, 5/6)
:政策スタンスはタカ派。前回4/19タカ、ハト派発言。
リッチモンド連銀総裁、金利上昇の本格的な影響はこれから表れる(Bloomberg)
【考察】利下げ慎重姿勢のタカ派発言
26:02~要人発言
米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:1/10, 1/17, 2/23, 2/28, 3/1, 3/8, 4/11, 4/15, 4/18, 5/6)
:政策スタンスは中立。前回4/18タカ派発言。
FRB、次の動きは利下げの公算大=NY連銀総裁(Reuters)
【考察】データ次第ではあるものの、利下げ示唆のハト派発言。
28:00 要人発言
イスラエル
「ラファ侵攻継続」
【考察】中東地政学リスクオフ
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値152.98
取引開始直後、日足安値152.82を付けた後、日通し高値154.01へ浅い押し目だけで急騰しました。
休場中5/4米国イエレン財務長官の強い為替介入牽制発言を受けて、153円台では直ぐに政府・日銀為替介入は実施されないとの判断や、安値でドルを買い損ねていた実需勢の押し目買いっ参入、5/3米雇用統計(弱)によるソフトランディング期待を材料視したリスクオン円売り主導であっさりと全戻して上昇継続。
欧米マーケット:
米国ソフトランディング期待を材料視した欧米株上昇リスクオン円売り継続し、日通し高値154.01へ到達。但し、英国祝日休場の薄商いの中、政府・日銀為替介入警戒感は依然として高く、154円付近では揉み合い。NYマーケット引けに掛けて中東地政学リスクの要人発言や報道相次ぎましたがドル円反応薄。
日足終値153.90
【米国市況】株上昇、年内利下げ観測が追い風-ドル一時154円台(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル売買交錯>
買い材料:
・米国バーキン・リッチモンド連銀総裁のタカ派発言
売り材料:
・米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁のハト派発言
<円売り優勢>
買い材料:
売り材料:
・5/3米雇用統計(弱)によるソフトランディング期待リスクオン→欧州株上昇
・5/4米国イエレン財務長官の為替介入牽制発言
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回6月12日公表:据え置き91.3%
初回利下げ観測9月18日公表:25bp引き下げ48.1%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利500~525bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:5月陰線形成中。上昇トレンド。
- 週足:4/29週、陰線確定。上昇トレンド。
- 日足:5/3陰線。レンジ。
- 4H足:下降トレンド。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足レンジ安値152.191付近へ下落→転換上昇→目標4H足ダウ転換点152.760
②ショート
(B)4H足ダウ転換点152.760をダウ下落→目標4H足レンジ安値152.191
5月通算:1勝1敗、勝率50.0%、+84.1pips
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