2024年4月19日(金)ドル円戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)4/18の欧米マーケット影響
米国新規失業保険申請件数、米国失業保険継続申請件数、米国フィラデルフィア連銀景況指数の強い数値、米国ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁のタカ派発言でドル円上昇。米国景気先行指数の弱い数値で下押しするもトレンドを変える材料にはなり得ず直ぐに押し目買い入り、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言も加わり、日足高値154.68へ上昇。
引け前に鈴木財務相の円安牽制発言、植田日銀総裁のドル高牽制発言で下押しするも直ぐに押し目買い入り、米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁も出たことで全戻し上昇。
日足終値154.66

(2)経済指標
・日本消費者物価指数

(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人

(4)その他
・実質五十日仲値(4/20休場につき)
・IMM通貨先物ポジション
・米国主要企業決算
・中東地政学リスクオフ

本日の注目材料は4点。
①政府・日銀口先介入、実介入
4/15米国小売売上高の強い数値で154円台に乗ったことで今までより強い口先介入・実介入への警戒感が高まりました。しかし、ファンダメンタルズに基づくドル円急騰であることから、実介入が実施されてドル円暴落が生じても、押し目買いに機会になりやすいと推測します。

②FRB要人発言
タカ派発言でドル円下げ止まりやドル円上昇、ハト派発言ではドル円下落一時的から押し目買い機会の傾向が継続見込み。

③米国経済指標
「強い数値→ドル円上昇」、「弱い数値→ドル円下落」の素直な動きを想定しますが、政府・日銀為替介入による一時的な急落には要警戒。一方、弱い数値が出ても単発データでFRB政策利下げ前倒しの可能性は低く、ドル円下落は一時的となり押し目買いの機会になりやすいと推測します。

④中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。特にイスラエルを巡る中東地政学リスクオフに関するヘッドラインに注視したい。
原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い材料交錯しますが、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすい。
戦闘激化となれば一時的に強いリスクオフに伴うドル円急落に警戒必要ですが、この場合でも押し目買いの機会になりやすいと推測します。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

7:08~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:1/81/181/192/52/92/162/282/293/13/43/254/34/9, 4/12, 4/18)
:政策スタンスはハト派。前回4/12タカ派発言。
アトランタ連銀総裁、年末まで利下げ適切ではない-インフレ鈍化緩慢(Bloomberg

【考察】タカ派発言。ドル円小幅上昇。

8:30 経済指標
日本消費者物価指数(CPI)(政府統計の総合窓口
(過去の発表日; 1/192/27, 3/22, 4/19)
日銀物価目標2.0%。日銀政策金利0.0-0.1%
前年比:前回2.8%、予想2.8%、結果2.7%(×)
コア前年比:前回2.8%、予想2.7%、結果2.6%(×)
コアコア前年比:前回3.2%、予想3.0%、結果2.9%(×)
消費者物価は2カ月ぶり鈍化、日銀会合控え利上げ見極め局面続く(Bloomberg

【考察】弱い数値ですが日銀物価目標2%以上しておりドル円反応薄。

東京マーケット(9:00~15:00)

9:52 報道
イラン、3件の大規模爆発

【考察】中東地政学リスクオフ。ドル円急落。

9:55 実質五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあり。

10:12 報道
イラン、シリア、イラク同時爆発。イスラエル空港攻撃。

10:38 要人発言
原油急伸、ブレント一時90ドル台-イスラエルがイラン攻撃と米当局者(Bloomberg

【考察】中東地政学リスクオフ。ドル円急落継続

11:56 報道
イラン核施設被害なし

12:25 要人発言
イラン高官
「イランへのミサイル攻撃なし」

12:30 要人発言
イラン高官
「爆発音はドローン撃墜で発生」
イスラエルによる無人機攻撃の試みは失敗-イラン国営メディア(Bloomberg

【考察】中東地政学リスクオフ後退。巻き戻しドル円上昇。

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

23:30~要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:1/111/121/192/22/52/142/293/13/83/254/44/84/10, 4/12, 4/19)
:政策スタンスは中立。前回4/12タカ派発言
シカゴ連銀総裁、利下げ前に一段の時間必要-インフレの進展失速(Bloomberg

【考察】タカ派発言

25:00~要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:1/31/51/112/72/82/122/162/213/14/44/104/11, 4/16, 4/19)
:政策スタンスはタカ派。前回4/16タカ派発言。
リッチモンド連銀のバーキン総裁、「需要は健全だが過熱していない」(Bloomberg

【考察】タカ、ハト派発言

27:42~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:3/53/73/83/123/153/193/213/223/263/273/294/14/24/44/54/94/114/124/154/164/17, 4/18, 4/19)
鈴木財務相、為替市場の「行き過ぎた動きには適切に対応する」(Bloomberg

【考察】円安牽制発言。

28:30 経済指標
IMM通貨先物4/16時点(ポジション推移
円ショート拡大

【考察】円売り材料

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値154.66
オープン後、東京・日足高値154.67を付けた後、相次ぐ中東地政学リスクオフ報道で日足安値153.59へ急落。しかし、イラン高官から、イスラエルミサイル攻撃はなく爆発音はドローン撃墜で発生したと伝わると地政学リスクが一気に後退し巻き戻しのドル円上昇。

【日本市況】日経平均1000円安、中東緊迫化でリスクオフ-金利が低下(Bloomberg

欧米マーケット:
欧州オープン後も地政学リスクオフ巻き戻し継続によりドル急落全戻し。
日足終値154.64

【米国市況】大型ハイテク株が急落、来週の決算警戒-円は上げを消す(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

通貨強弱

・ドル売買交錯
買い:米国ボスティック・アトランタ連銀総裁、米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のタカ派発言。
売り:

・円売買交錯
買い:中東地政学リスクオフ報道。鈴木財務相の円安牽制発言。
売り:中東地政学リスクオフ後退発言

Currency Strength Chart

政策金利市場織り込み

現行FRB政策金利525~550bps

2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool
5月1日公表:据え置き96.1%
9月18日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ45.6%
年内利下げ観測:25bps×1回=25bps → 政策金利500~525bps相当

テクニカル分析

トレード

  • 月足:4月陽線形成中。上昇トレンド。
  • 週足:4/15週、陽線形成中。上昇トレンド。
  • 日足:4/18陽線。上昇トレンド。政府・日銀の強い口先介入か実為替介入なければ4/19も上昇優勢と推測。
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:上昇トレンド。
  • 15M足:上昇トレンド。

【シナリオ】
①ロング
(A)1H足押し安値154.369付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ安値154.551
(B)日足安値153.957付近へ下落→転換上昇→目標1H足押し安値154.369

②ショート
(C)1H足レンジ安値154.551かつ1H足20MAをダウ下落→目標1H足押し安値154.369

4月通算:9勝4敗、勝率69.2%、+73.2pips

(Trading View)

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