ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日銀、国債買入オペ通知
・日銀、需給ギャップと潜在成長率
・米国ADP雇用者数
・米国新規失業保険申請件数、失業保険継続申請件数
・米国30年債入札
・米国FOMC議事要旨(12/17~12/18開催分)
2.要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ次期大統領
・FRB
3.その他
・TOM効果:株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中する傾向があります。「株買い(円キャリー促進)」、「株売り(円キャリー巻き戻し)」の傾向。特に2024年1月から新NISAが始まり全世界株への資金流入が一気に進んでおり、「株買い→ドル円上昇」しやすいと推測されます。
・1/10(金)米国雇用統計(強)期待のスイング勢織り込み
米経済、2024年は緩やかだが健全な雇用拡大の年-10日に12月雇用統計(Bloomberg)
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
・スワップ4倍デー
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
米国ADP雇用者数と米国FOMC議事要旨(12/17~12/18開催分)です。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:30)
10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知(日本銀行)(日銀、オペレーション)
(発表日:12/4, 12/9, 12/13, 12/20, 12/25, 1/8, 1/15, 1/22, 1/28, 1/30)
1~3年債:前回3250億円、予想3000億円、結果3000億円(○)
3~5年債:前回3250億円、予想3000億円、結果3000億円(○)
5~10年債:前回3750億円、予想3250億円、結果3250億円(○)
10~25年債:前回1500億円、予想1500億円、結果1500億円(○)
【考察】予想通減額。
14:00 経済指標
日銀、需給ギャップと潜在成長率
需給ギャップ:日本経済全体の「潜在的な供給力」と「実際の需要」の差。需要が供給力を上回りプラスになると物価上昇、需要不足でマイナスになると物価下落の傾向。
前回-0.55%(改定-0.58)、結果-0.53%(◎)
潜在成長率:は設備などの資本、労働力、生産性の供給能力をどれだけ増大させられるかを示します。
日銀需給ギャップ、24年7―9月期は-0.53% 18四半期連続マイナス(Reuters)
【考察】18四半期連続マイナス
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
20:33 報道
米国トランプ次期大統領
トランプ次期大統領、新たな関税導入へ経済緊急宣言を検討-CNN(Bloomberg)
【考察】インフレ懸念。ドル円上昇。
22:00~要人発言
米国ウォラーFRB理事
(過去の発言:10/18, 11/12, 12/2, 1/8)
:政策スタンスは中立。前回12/2ハト派発言。ドル円下落。
ウォラーFRB理事、追加利下げを支持-インフレは鈍化継続へ(Bloomberg)
【考察】ハト派発言。
22:15 経済指標
米国ADP雇用者数(発表日:1/4, 1/31, 3/6, 4/3, 5/1, 6/5, 7/3, 7/31, 9/5, 10/2, 10/30, 12/4, 1/8)
後日発表の米国雇用統計との差異も注目されます。
前月比:前回14.6万人(改定)、予想14.0万人、結果12.2万人(×)
【考察】弱い数値。ドル円下落。
22:30 経済指標
米国新規失業保険申請件数
失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を示す指標。失業率や非農業部門雇用者数の先行指標として注目されます。失業保険継続申請件数より注目度は高い。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回21.1万件(改定)、予想21.5万件、結果20.1万件(◎)
米国失業保険継続申請件数
新規申請後に失業保険の申請を継続している人数を示す指標。
「予想より高い数値→ドル売り材料」、「予想より低い数値→ドル買い材料」
前回184.4万件(改定183.4)、予想186.0万件、結果186.7万件(×)
【考察】強弱混在。
27:00 経済指標
米国30年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
(過去の発表日:9/12, 10/10, 11/6, 12/12)
発行額(Offering Amount):220億ドル
最高落札利回り(High Yield):前回4.535%、結果4.913%(×)
応札倍率(Bid to Cover Ratio, 応札額/発行額):前回2.39倍、結果2.52倍(◎)
外国中銀など間接入札者の落札比率(Indirect Bidder):前回66.5%、結果66.6%(◎)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回+1.2bps、結果-0.7bps(◎)。4.913-4.920=-0.007
WI:4.920%
【考察】総じて入札好調。ドル円下落。
28:00 経済指標
米国FOMC議事要旨(12/17~12/18開催分)
(過去の発表日:1/3, 2/21, 4/10, 5/22, 7/3, 8/21, 10/9, 11/26, 1/8)
FOMC議事要旨:利下げペースの減速、多くが必要性を認識(Bloomberg)
【考察】タカ派内容。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値158.04
取引開始直後から、1/6, 1/7と同じく上昇するも、東京オープン後は前日米国株下落(円キャリー巻き戻し)に連れて日足安値157.90へ下落。
日銀国債買入オペ通知後は日通し高値158.27へ上昇しましたが、前日158円台前半であった政府要人円安牽制発言への警戒感から上値伸ばせず揉み合いで引けました。
【日本市況】債券が下落、米経済指標強く利下げ観測後退-株式は反落(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープンすると、欧州景気後退懸念から緩和期待の欧州株上昇(円キャリー促進)と欧州通貨売りドル買いに連れてドル円上昇。
更に米国トランプ次期大統領の新たな関税導入へ経済緊急宣言を検討報道を受けて日足高値158.55へ上昇。
その後、米国ウォラーFRB理事のハト派発言、米国ADP雇用者数(弱)で下押ししましたが、米国新規失業保険申請件数(強)・米国失業保険継続申請件数(弱)交錯を受けてドル円乱高下。
米国30年債入札(強)でドル円下落するも一瞬で押し目買い入り全戻し。また米国FOMC議事要旨(12/17~12/18開催分)タカ派内容でしたがサプライズなく、ドル円乱高下で引けました。
日足終値158.35
【米国市況】株が小反発、長期債利回り上昇-円は一時7月以来の安値(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル買い優勢>
買い材料:
・米国トランプ次期大統領:新たな関税導入へ経済緊急宣言を検討報道
・米国新規失業保険申請件数(強)
・米国FOMC議事要旨(12/17~12/18開催分):タカ派内容
売り材料:
・米国ウォラーFRB理事のハト派発言
・米国ADP雇用者数(弱)
・米国失業保険継続申請件数(弱)
・米国30年債入札(強)
<円買い優勢>
買い材料:
・1/7米国株下落(円キャリー巻き戻し)連動の日本株下落
売り材料:
・日銀、国債買入オペ通知:但し予想通り減額。
・日銀、需給ギャップと潜在成長率
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
・FRB:現行政策金利4.25-4.50%
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回1月29日(水)公表:据え置き(93.6→94.1%)、0.25%引き下げ(6.4→5.9%)
2025年利下げ観測:-0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75~4.00%相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:1月陽線形成中。レンジ。ダウ転換シグナル付近。
- 週足:1/6週、陽線形成中。上昇トレンド。三尊右肩かつ戻り高値付近。
- 日足:1/7陽線。レンジ。BB+1σ付近
- 4H足:上昇チャネル。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)日足レンジ高値158.065をダウ上昇→目標4H足レンジ高値158.313
(B)4H足レンジ安値156.392付近へ下落→転換上昇→目標1H足レンジ安値157.427
②Short
(C)4H足レンジ高値158.313付近へ上昇→転換下落→目標4H足レンジ安値157.607
(D)1H足レンジ安値157.427をダウ下落→目標4H足レンジ安値156.611
本日:0勝1敗、-10.2pips
1月通算:3勝6敗、勝率33.3%、RR2.06 、-27.6pips
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