ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)4/8の欧米マーケット影響
欧州オープン後もじり上げ続き日通し高値151.92を付けたタイミングで、米国イエレン財務長官のインフレ鈍化確信発言で151.83へ下押し。しかし押し目買いも強く日足高値151.95を付け、152円台乗せに再び失敗すると下落。更に中東地政学リスクオフ悪化の原油先物価格上昇に連れてドル円上昇。総じて152円台目前で乱高下。
日足終値151.85
(2)経済指標
・日本5年国債入札
・米国3年債入札
(3)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人
(4)その他
・中東地政学リスクオフ
来週のドル・円は軟調か、米CPIの鈍化予測や中東リスク警戒が重し(Bloomberg)
【債券週間展望】長期金利低下か、需給良好で-利上げ観測はくすぶる(Bloomberg)
【日本株週間展望】続落、米物価指標の上振れ警戒-ファストリ決算も(Bloomberg)
本日の注目材料は4点。
①政府・日銀口先介入
強い円安牽制発言、政府・日銀3者会合報道にも関わらずドル円下落は限定的で押し目狙いの機会になっています。
相場参加者がこのパターンに慣れた頃に、今までより強い牽制発言や報道で大き目のドル円下落に注意が必要ですが、その場合にも押し目買いに機会になる状況は変わらず。
②FRB要人発言
タカ派発言でドル円下げ止まりやドル円上昇、ハト派発言ではドル円下落一時的から押し目買い機会の傾向が継続見込み。
③米国経済指標
特に注目度の高い指標はないことから、週明けて4/5米国雇用統計の強い数値の再評価を確認したい。強い数値だったことには変わりなく、政府・日銀為替介入警戒や中東地政学リスクオフが上値を抑えていたことから、調整下落が生じた時の押し目買いの機会になりやすい。
④中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
各地域で軍事行動が活発化。特にイスラエルを巡る中東地政学リスクオフに関するヘッドラインに注視したい。
原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い材料交錯しますが、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇しやすい。
戦闘激化となれば一時的に強いリスクオフに伴うドル円急落に警戒必要ですが、この場合でも押し目買いの機会になりやすいと推測します。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:47~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:3/5, 3/7, 3/8, 3/12, 3/15, 3/19, 3/21, 3/22, 3/26, 3/27, 3/29, 4/1, 4/2, 4/4, 4/5, 4/9)
為替市場、足元は過度な変動か言及控える=鈴木財務相(Reuters)
【考察】円安牽制発言。しかし従来通りの文言に留まりドル円下落は直ぐ全戻し。
東京マーケット(9:00~15:00)
12:35 経済指標
日本5年国債入札(財務省)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回0.376%、結果0.408%(×)
応札倍率:前回3.99倍、結果3.88倍(×)
テール:前回2銭、結果2銭(○)
【考察】総じて入札不調。
13:04~要人発言
植田日銀総裁
(過去の発言:2/6, 2/9, 2/16, 2/22, 2/29, 3/5, 3/7, 3/12, 3/13, 3/19, 3/21, 3/22, 3/27, 4/4, 4/5, 4/8, 4/9)
:前回4/8政策修正示唆
当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている-植田日銀総裁(Bloomberg)
【考察】ハト派発言。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
16:30~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:3/5, 3/7, 3/8, 3/12, 3/15, 3/19, 3/21, 3/22, 3/26, 3/27, 3/29, 4/1, 4/2, 4/4, 4/5, 4/9)
為替、高い緊張感を持って市場動向をみている=鈴木財務相(Reuters)
【考察】強い円安牽制発言。ドル円下落。
18:24 報道
日銀が24年度物価見通しの上方修正を議論へ、好調な賃上げで-関係者(Bloomberg)
【考察】日銀利上げ観測。日通し安値151.73へ下落
26:00 経済指標
米国3年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」
「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回4.256%、結果4.548%(×)
応札倍率:前回2.60倍、結果2.50倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率:前回70.0%、結果60.3%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-1.3bps、結果+2bps(×)
【考察】入札不調。ドル円上昇。
28:19~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:1/8, 1/18, 1/19, 2/5, 2/9, 2/16, 2/28, 2/29, 3/1, 3/4, 3/25, 4/3, 4/9, 4/11)
:政策スタンスはハト派。前回4/3タカ派発言。
アトランタ連銀総裁、今年1回の利下げ予想維持もスタンス変更に含み(Bloomberg)
【考察】タカ派発言。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値151.85
鈴木財務相の円安牽制発言から日通し安値151.78、東京安値151.79を付けるも、従来通りの文言に留まり即全戻しから東京高値151.92へ上昇。植田日銀総裁のハト派発言も出ましたが、152円台手前での政府・日銀為替介入への警戒感は変わらず積極的な買いは入らず揉み合い。
きょうの国内市況(4月9日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン直後、日足高値151.94を付けると海外勢の152円台トライを警戒してか、鈴木財務相の強い円安牽制発言、更に日銀24年度物価見通し上方修正議論報道を受けて日通し安値151.73へ下落。
NYマーケットオープンすると、株下落・米国債利回り低下、原油先物下落に連れて、日足安値151.57へ急落。
しかしながら、株上昇に転じ、米国3年債入札不調、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言からドル円上昇。総じて、4/10注目の米国消費者物価指数発表前のポジション調整も交錯しドル円乱高下。日足終値151.78
【米国市況】国債上昇しS&P500は小幅高、CPI控え-151円70銭台(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル売買交錯
買い:米国3年債入札不調。米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言。
売り:原油先物価格下落
・円売買交錯
買い:鈴木財務相の円安牽制発言。日本5年国債入札不調。日銀24年度物価見通し上方修正議論報道。原油先物価格下落。
売り:植田日銀総裁のハト派発言。
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
5月1日公表:25bp引き下げ2.7%、据え置き97.3%
6月12日公表(初回利下げ観測):25bp引き下げ56.2%、据え置き42.3%
年内利下げ観測:25bps×3回=75bps → 政策金利450~475bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:4月陽線形成中。レンジ上限到達
- 週足:4/8週、陽線形成中。レンジ上限到達。
- 日足:4/8陽線。レンジ。4/9もレンジ抜けまで揉み合い優勢と推測。
- 4H足:レンジ。
- 1H足:レンジ。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①ロング
(A)4H足押し安値151.579付近へ下落→ダウ転換上昇→目標1H足レンジ下限151.738
(B)日足レンジ下限151.350付近へ下落→ダウ転換上昇→目標4H足押し安値151.579
②ショート
(C)1H足レンジ下限151.738をダウ下落→目標4H足押し安値151.579
4月通算:4勝0敗、+45.9pips
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