ファンダメンタルズ分析
注目材料
１．経済指標
・日銀、国債買入オペ通知
・米国雇用統計（2025年、米国雇用統計発表日のドル円動きまとめ）
米雇用者数、年次改定で下方修正へ－想定ほどは落ち込まない見通し（Bloomberg）
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、インフレ予測
・IMM通貨先物円ポジション
２．要人発言
・政府日銀円安牽制
・米国トランプ大統領
・FRB
３．その他
・日米首脳会談
・地政学リスクオフ（中東、ウクライナ・ロシア）
４．参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤円キャリー取引（促進or巻き戻し）に分類できます。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い：◎、予想以上：〇、予想より悪い：△、前回かつ予想より悪い：×)
東京マーケット前
7:09～要人発言
米国ローガン・ダラス連銀総裁（2025年FOMC投票権なし）
（過去の発言：10/11, 10/21, 11/13, 2/7）
：政策スタンスはタカ派。前回11/13タカ、ハト派発言。
ダラス連銀総裁、追加利下げの必要性疑問視－中立金利近い可能性（Bloomberg）
【考察】タカ派発言
東京マーケット(9:00~15:30)
9:44～要人発言
ＧＤＰギャップ足元マイナス、デフレ脱却判断できる状況でない＝赤沢再生相（Reuters）
【考察】2/5は2/4植田日銀総裁と同じく「インフレ状態」発言でしたが、今回は「デフレ脱却していない」と2/4石破首相発言や2/6加藤財務相と歩調を合わせる発言に修正。2/5「インフレ状態」発言はドル円下落に寄与していたことから、本日は巻き戻しのドル円上昇に寄与。
10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知（日本銀行）（日銀、オペレーション）
（発表日：1/8, 1/15, 1/22, 1/28, 1/30, 2/3, 2/7）
1～3年債：前回3000億円、予想3000億円、結果3000億円（○）
3～5年債：前回3000億円、予想3000億円、結果3000億円（○）
5～10年債：前回3250億円、予想3250億円、結果3250億円（○）
【考察】据え置き。
10:30～要人発言
ＩＭＦが日本財政に警鐘、「明確な健全化計画を」－補正予算に苦言も（Bloomberg）
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(23:30~30:00)
22:30 経済指標
米国雇用統計
（過去の発表日;6/7, 7/5, 8/2, 9/6,10/4, 11/1, 12/6, 1/10, 2/7)
非農業部門雇用者数(NFP)：前回25.6万人（改定30.6）、予想17.2万人、結果14.3万人（×）
失業率：前回4.1%（改定）、予想4.1%、結果4.0%（◎）
平均時給
前月比：前回0.3%（改定）、予想0.3%、結果0.5%（◎）
前年比：前回3.9%（改定4.1）、予想3.8%、結果4.1%（○）
年次改定値：前回18万6000人、結果16万6000人（×）
米雇用者数、予想以上に鈍化－年次改定での下押しは推計より小幅（Bloomberg）
【考察】
発表前：日通し安値150.96を付けてからショート勢決済のためかじり上げ。直前152.09。
発表後：強弱交錯。初動はNFP(弱)で151.33へ急落すると、失業率・平均時給（強）で日足高値152.43へ急騰。しかし、年次改定値（弱）で再下落から乱高下。
22:49～発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁（2025年FOMC投票権なし）
（過去の発言：11/12, 11/13, 11/26, 2/7）
：政策スタンスはタカ派。前回11/26ハト派発言
ミネアポリス連銀総裁、雇用なお堅調－金利は今年「緩やかに」低下へ（Bloomberg）
【考察】タカ、ハト派発言
24:00 経済指標
米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値（速報値発表日; 6/14, 7/12, 8/16, 9/13, 10/11, 11/8, 12/6, 1/10, 2/7）
米国コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されるため注目度は高い。米国GDPの約70％を占める個人消費の動向を確認できます。
前回71.1、予想71.9、結果67.8（×）
米国ミシガン大学インフレ予測
1年先：前回3.3%、予想3.3%、結果4.3%（◎）
5年先：前回3.2%、予想3.2%、結果3.3%（◎）
【考察】強弱混在。ドル円乱高下。
24:31～要人発言
米国グールズビー・シカゴ連銀総裁（2025年FOMC投票権あり）
（過去の発言： 2/4, 2/5, 2/6, 2/7）
：政策スタンスはハト派。前回2/6タカ派発言
米金利、1年半後には「相当程度」低下 関税を注視＝シカゴ連銀総裁（Reuters）
【考察】米国雇用統計失業率4%を受けてハト派発言
24:54 報道
トランプ氏、相互関税計画を発表へ 早ければ7日に＝関係筋（Reuters）
【考察】リスクオフ。ドル円下落。
26:00～要人発言
米国クーグラーFRB理事
（過去の発言：10/8, 11/14, 12/3, 1/4(休場中), 2/7）
：政策スタンスは中立。1/4タカ派発言
クーグラーＦＲＢ理事、インフレ状況の進展と政策の不確実性を警戒（Bloomberg）
【考察】タカ派発言
26:06 報道
EU to offer lower tariffs on US cars（FT）
【考察】貿易戦争回避の可能性。
26:12～要人発言
石破首相
「米国投資拡大を検討」
26:13～要人発言
トランプ大統領、対日貿易赤字を解消したい－日米首脳会談（Bloomberg）
【考察】対日関税で日本貿易収支悪化懸念。ドル円上昇。
26:27 報道
Trump considering allowing sale of U.S. Steel to Nippon Steel（CBS NEWS）
米国トランプ大統領、USスチール141億ドルで日本製鉄買収許可を検討
24:23～要人発言
米国トランプ大統領
「2027年までに日本の防衛費２倍」
28:34～要人発言
石破首相
「対米投資1兆ドル検討」
28:48～要人発言
石破首相、対米投資１兆ドル－「日鉄は買収でなく投資」とトランプ氏（Bloomberg）
29:30 経済指標
IMM通貨先物2/4時点（Investing.com）
円ショートからロング転換
＜まとめ＞
東京マーケット：
日足始値151.43
取引開始後、前日欧米マーケットの流れを引き継ぎや、日米首脳会談で米国トランプ大統領の円安批判警戒のためか日通し安値150.96へ下落。
しかし、米国雇用統計前に積極的な売りは続かず、150円台維持に失敗するとショート勢決済や押し目買いが入り赤沢経済再生相「デフレ脱却していない」発言、国債買い入れオペ通知を受けて日通し高値151.79へ上昇して引けました。
【日本市況】長期金利が14年ぶり高水準、円は２カ月ぶり高値から反落（Bloomberg）
欧米マーケット：
欧州オープン後も米国雇用統計前の巻き戻し調整が続いているためか、日通し高値152.25へ上昇。
米国雇用統計は、初動NFP(弱)で151.33へ急落すると失業率・平均時給（強）で日足高値152.43へ急騰。しかし、年次改定値（弱）で再下落から乱高下。
また、米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値（弱）、米国ミシガン大学インフレ予測（強）も交錯し乱高下継続。
更に米国トランプ大統領の2/7相互関税計画発表予定を受けて日足安値150.93へ急落しましたが、米国トランプ大統領の「対日貿易赤字解消に関税選択肢」でドル円再上昇・揉み合いで引けました。
日足終値151.42
【米国市況】関税懸念で株下落、統計は金利据え置き示唆－円変わらず（Bloomberg）
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
＜ドル買い優勢＞
買い材料：
・米国ローガン・ダラス連銀総裁、米国クーグラーFRB理事のタカ派発言
・米国雇用統計：失業率、平均時給（強）
・米国ミシガン大学インフレ予測（強）
売り材料：
・米国雇用統計：NFP、年次改定値（弱）
・米国ミシガン大学消費者信頼感指数速報値（弱）
・米国グールズビー・シカゴ連銀総裁のハト派発言
＜円売りから買い優勢＞
買い材料：
・赤沢経済再生相のインフレ状態発言
・米国トランプ大統領：2/7相互関税計画発表予定→リスクオフ欧米株下落（円キャリー巻き戻し）
売り材料：
・赤沢経済再生相のデフレ脱却していない発言→2/5発言修正で巻き戻し
・国債買い入れオペ通知：据え置き
・米国トランプ大統領：対日貿易赤字解消、関税選択肢→日本貿易収支悪化
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96（日本銀行、短観）以上推移→日本企業業績改善・株上昇（円キャリー促進）
・構造的円売り（日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増）
・その他円売り（自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念）
政策金利市場織り込み
・FRB：現行政策金利4.25-4.50%
FOMC市場織り込み（CME FedWatch Tool）
次回3月19日（水）公表：据え置き（84.0→92.0%）、0.25%引き下げ（16.0→8.0%）
2025年利下げ観測：0.25%×2回=0.50% → 政策金利3.75～4.00%相当
・日銀：現行政策金利0.50%
市場織り込み（東京短資株式会社）
次回3月19日（水）公表：0.25%引き上げ（1→2%）
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足：2月陰線形成中。レンジ内、上昇トレンド。ダウ高値付近。
→ダウ転換失敗なら上昇トレンド継続してレンジ上限160.83かつBB+2σ到達見込み。ダウ転換成功なら上昇トレンド崩れてダウ高値152.03へ下落見込み。 - 週足：2/3週、陰線線形成中。上昇トレンドラインかつダウ高値下抜けて20MA付近へ急落。
- 日足：2/6陰線。下降トレンド、BB-2σ付近。
→2/7、下降トレンド継続想定 - 4H足：下降トレンド。BB-2σ付近
- 1H足：下降トレンド。
- 15M足：レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)1H足ダウ安値151.683をダウ上昇→目標1H足戻り高値152.038
②Short
(B)1H足ダウ安値151.683付近へ上昇→転換下落→目標日足安値151.321
(C)1H足ダウ安値151.321をダウ下落→目標日足押し安値ヒゲ先151.004
本日：１勝０敗、+26.7pips
2月通算：6勝2敗、勝率75.0%、RR1.99 、+137.8pips
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