ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)3/11の欧米マーケット影響
欧州オープン前からは再び、日銀政策修正観測(日銀のETF買い入れ見送り)と3/8米国雇用統計の弱い数値が材料視、日足安値146.49へ急落。
しかし、明日の米国消費者物価指数高止まりの警戒感、米国投資適格級社債発行や米国Ny連銀インフレ期待調査の強い数値で147.15へ再上昇。
日足終値146.94
(2)経済指標
・日本国内企業物価
・日本5年国債入札
・米国消費者物価指数
・米国10年債入札
(3)要人発言
・政府日銀要人
・FEDウォッチャーであるWSJ紙のニック・ティミラオス氏(Twitter):ブラックアウト期間のため、いつもの様に発言や記事に要注意。
(4)その他
・中東地政学リスクオフ
本日注目材料は2点。最大の注目は米国消費者物価指数。
①米国消費者物価指数(CPI)、特にコア指数の注目度が高い。
前回値より予想値が総じて弱く、実際に弱い数値ならドル円下落。しかし、予想通りや
強い数値が出れば、148円台付近への急騰の可能性あり。
米CPI、小幅鈍化の見通し-利下げ急がないFRBの根拠裏付けか(Bloomberg)
②日銀政策修正関連報道
先週は3月会合でマイナス金利解除かつYCC撤廃検討報道によりドル円下落が生じており、今週も報道に要警戒。膨れ上がった投機筋円売りポジションが解消されドル円急落の可能性あり。
マーケットの動き
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
7:06 報道
日銀、広がる3月解除支持 春闘、昨年超えの公算―マイナス金利(時事通信)
【考察】日銀政策修正観測。ドル円急落。
8:50 経済指標
日本国内企業物価
前月比:前回0.0%(改定-)、予想0.1%、結果0.2%(◎)
前年比:前回0.2%(改定)、予想0.5%、結果0.6%(◎)
東京マーケット(9:00~15:00)
9:38~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:12/15, 1/19, 2/9, 2/14, 2/16, 2/20, 2/22, 3/5, 3/7, 3/8, 3/12)
:前回3/7デフレ脱却否定。
【考察】デフレ脱却否定。ドル円上昇。
11:07~要人発言
植田日銀総裁(参院財政金融委員会)
(過去の発言:12/7, 12/19, 12/27, 1/4, 1/23, 2/6, 2/9, 2/16, 2/22, 2/29, 3/5, 3/7, 3/12)
:前回3/7タカ派発言
景気は一部統計に弱めの動きも、緩やかに回復している-植田総裁(Bloomberg)
【考察】個人消費の弱さ指摘。日銀政策修正後退し、147.43へ急騰
12:35 経済指標
日本5年国債入札(財務省)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→円売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→円買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→円買い」や「入札通過→Sell the fact円売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回0.316%、結果0.376%(×)
応札倍率:前回3.44倍、結果3.99倍(◎)
テール:前回3銭、結果2銭(◎)
【考察】総じて入札好調。
13:33~要人発言
植田日銀総裁
(過去の発言:12/7, 12/19, 12/27, 1/4, 1/23, 2/6, 2/9, 2/16, 2/22, 2/29, 3/5, 3/7, 3/12)
:前回3/12午前、個人消費の弱さ指摘
「物価安定目標2%が持続的・安定的に達成できる見通しが持てるようになれば、マイナス金利政策、イールドカーブコントロールなどの大規模緩和策の修正を検討」
【考察】物価安定目標2%達成見通しを政府否定のためか、ドル円反応薄
15:08 要人発言
日銀がマイナス金利解除の是非議論、春闘集計踏まえ判断-関係者(Bloomberg)
【考察】日銀政策修正観測。ドル円下落。
欧州マーケット(17:00~26:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
21:30 経済指標
米国消費者物価指数(CPI)(過去の発表日; 2/14, 3/14, 4/12, 5/10, 6/13, 7/12, 8/10, 9/13, 10/12, 11/14, 12/12, 1/11, 2/13, 3/12)
FRBが金融政策を決定する上で、インフレ変動を把握する重要指標。CPIは米国生産者物価指数(PPI)の川下に相当する指標でPPIより注目度は高い。基調的なインフレを見る上では総合指数よりコア指数が重要。
「予想より高い数値→ドル買い材料」、「予想より低い数値→ドル売り材料」
前月比:前回0.3%(改定)、予想0.5%、結果0.4%(△)
前年比:前回3.1%(改定)、予想3.1%、結果3.2%(◎)
コア前月比:前回0.4%(改定)、予想0.3%、結果0.4%(○)
コア前年比:前回3.9%、予想3.7%、結果3.8%(○)
実質金利=政策金利-総合CPI前年比=5.5-3.2=2.3%
米コアCPI、2カ月連続で伸びが予想以上-利下げ慎重論を補強(Bloomberg)
【考察】
発表前:方向感なく揉み合い。直前147.46
発表後:総じて強い数値。初動は対予想値の織り込み剥落から日足高値148.18へ急騰するも、対前回値の強弱混在を受けて日足抵抗147.911や切番148.00付近からの戻り売り強く147.07へ急落。
総じて強い数値には変わりなかったものの、株式市場では許容範囲の強さと判断されリスクオン株上昇(円キャリー促進)に連れて再上昇の乱高下。
26:00 経済指標
米国10年債入札(Upcoming Auctions)
「最高落札利回り低い、応札倍率高い、テールが短い→入札好調→国債価格上昇→利回り低下→ドル売り材料」
「最高落札利回り高い、応札倍率低い、テールが長い→入札不調→国債価格低下→利回り上昇→ドル買い材料」「国債入札→市場へ国債供給イベント→国債価格下落→利回り上昇」にもなりやすいことから、「入札前から織り込み→利回り上昇→ドル買い」や「入札通過→Sell the factドル売り」が生じることもあります。
最高落札利回り:前回4.093%、結果4.166%(×)
応札倍率:前回2.56倍、結果2.51倍(×)
外国中銀など間接入札者の落札比率:前回70.97%、結果64.29%(×)
テール(Bid利回りと落札利回りの差):前回-1.2 bps、結果+0.9bps(×)
国債発行日前取引(WI): 4.157%
【考察】総じて入札不調。ドル円上昇。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値146.94
日銀マイナス金利解除観測報道、日本国内企業物価の強い数値によって東京・日足安値146.62を付けたものの、鈴木財務相のデフレ脱却否定発言、植田日銀総裁の個人消費の弱さ指摘発言、日本5年国債入札好調で東京高値147.60へ急騰。
東京クローズ直後、日銀3月会合でマイナス金利解除議論報道により147.21へ急落から揉み合い。
きょうの国内市況(3月12日):株式、債券、為替市場(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン前からは注目の米国消費者物価指数を控えて揉み合い。
米国消費者物価指数は総じて強い数値。初動日足高値148.18へ急騰するも、日足抵抗147.911や切番148.00付近からの戻り売り強く147.07へ急落。
しかし、強い数値には変わりないことに加え、株式市場では許容範囲の強さと判断され、リスクオン株上昇(円キャリー促進)で再上昇の乱高下。
日足終値147.66
【米国市況】株は最高値、CPI堅調も利下げ観測変わらず-147円後半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
・ドル買い優勢
買い:米国消費者物価指数の強い数値、米国10年債入札不調
売り:
ヒズボラがイスラエルにミサイル百発以上発射、戦闘がエスカレート(Bloomberg)
・円売り優勢
買い:日銀マイナス金利解除観測報道、日本国内企業物価の強い数値
売り:鈴木財務相のデフレ脱却否定発言、植田日銀総裁ハト派発言、日本5年国債入札好調。
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
3月20日公表:25bp引き下げ1.0%、据え置き99.0%
5月1日公表:25bp引き下げ11.0%、据え置き88.9%
合計利下げ:25bps×4回=100bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレード
- 月足:3月陽線形成中。三尊右肩付近
- 週足:3/11週、陰線形成中。レンジ。押し安値かつ20MA付近。押し目買い優勢と推測。
- 日足:3/11陰線。レンジ。押し安値付近。よって3/12は押し目買い優勢と推測。
- 4H足:レンジ。BB-1σ付近。
- 1H足:レンジ。20MA付近。
- 15M足:レンジ。BB-1σ付近。
【シナリオ】
①ロング
(A)1H足147.232をダウ上昇→目標1H足147.502
(B)1H足147.502をダウ上昇→目標日足147.929
②ショート
(C)日足147.929付近へ上昇→ダウ転換下落→目標1H足147.502
3月通算:3勝1敗、勝率75.0%、獲得Pips +15.4
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