ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
1.経済指標
・日本消費者物価指数(CPI)
・日銀、国債買入オペ通知
・米国住宅着工、米国住宅建築許可
・米国アトランタ連銀GDP Now
・IMM通貨先物円ポジション
2.要人発言
・政府日銀円安牽制発言
・植田日銀総裁
・FRB
3.その他
・実質五十日仲値
・地政学リスクオフ(中東、ウクライナ・ロシア)
4.参考情報
最近の相場を動かす主な材料は、①米国労働市場、②インフレ、③米国経済成長、④地政学リスク、⑤米国大統領選挙、⑥円キャリー取引(促進or巻き戻し)に分類できます。
5.本日の注目材料
(1)米国経済指標
注目度の高い指標なし。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
8:30 経済指標
日本消費者物価指数(CPI)(政府統計の総合窓口)
(過去の発表日; 1/19, 2/27, 3/22, 4/19, 5/24, 6/21, 7/19, 8/23, 9/20, 10/18)
日銀物価目標2.0%。日銀政策金利0.25%
前年比:前回3.0%、予想2.5%、結果2.5%(○)
コア前年比:前回2.8%、予想2.3%、結果2.4%(○)
コアコア前年比:前回2.0%、予想2.0%、結果2.1%(◎)
消費者物価は5カ月ぶりに伸び縮小、補助金復活でエネルギー鈍化(Bloomberg)
【考察】強い数値。日銀早期追加利上げ観測。ドル円下落。
東京マーケット(9:00~15:00)
9:04~要人発言
三村財務官
為替動向は一方向、投機的な動き含め高い緊張感持ち注視-三村財務官(Bloomberg)
【考察】事実上の円安牽制発言。ドル円下落
9:55 実質五十日仲値
仲値に向けて実需勢のドル買い円売り、仲値通過後にドル売り円買いの傾向多いものの、逆の動きになることもあります。
10:10 経済指標
日銀、国債買入オペ通知(日本銀行)(日銀、オペレーション)
(2024年9~10月、日銀国債買いオペ通知日のドル円動きまとめ)
(発表日:9/4, 9/6, 9/11, 9/18, 9/25, 10/2, 10/7, 10/11, 10/18, 10/28)
1~3年債:前回3250億円、予想3250億円、結果3250億円(○)
3~5年債:前回3250億円、予想3250億円、結果3250億円(○)
5~10年債:前回3750億円、予想3750億円、結果3750億円(○)
25年超債:前回750億円、予想750億円、結果750億円(○)
【考察】
発表前:三村財務官の円安牽制発言でドル円下落。
発表後:据え置き。ドル円上昇するも下記の青木官房副長官の円安牽制発言で全戻し下落。
11:18~要人発言
青木官房副長官
【考察】円安牽制発言。ドル円下落。
14:25~要人発言
中国株、急反発-習主席のハイテク重視発言や人民銀の動き織り込む(Bloomberg)
【考察】中国景気回復期待。ドル円上昇。
15:33~要人発言
植田日銀総裁<内田副総裁代読>(全国信用組合大会)
(発言:9/3, 9/20, 9/24, 10/2, 10/18)
:前回10/2ハト派発言
金融市場は引き続き不安定、極めて高い緊張感持ち見ていく-日銀総裁(Bloomberg)
【考察】不確実性高い。日銀早期追加利上げ観測と判断されドル円上昇。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
18:56 報道
韓国聯合ニュース
「北朝鮮、ロシア軍事支援強化」
韓国大統領が緊急安保会合、北朝鮮のロシア派兵は「重大な脅威」(Bloomberg)
【考察】地政学リスクオフ。ドル円下落。
19:11 報道
日銀は今月利上げの必要性乏しいとの認識、今後は排除せず-関係者(Bloomberg)
【考察】ヘッドラインが「物価予想通り推移で利上げ可能」のタカ派、「利上げ急がない」のハト派の順に流れたことでアルゴリズム取引によりドル円急落から全戻し。
21:30 経済指標
米国住宅着工
住宅購入に伴い家電などの耐久消費財も購入されることが多く、個人消費への波及効果が大きいため注目されます。また、最近はFRB当局者が住宅関連指標をインフレ把握のために注目していることから重要度が上がっています。
件数:前回135.6万件(改定136.1)、予想135.1万件、結果135.4万件(○)
前月比:前回9.6%(改定)、予想-0.5%、結果-0.5%(○)
米国住宅建築許可
件数:前回147.5万件(改定147.0)、予想145.9万件、結果142.8万件(×)
前月比:前回4.9%(改定4.6)、予想-0.8%、結果-2.9%(×)
【考察】強弱混在。ドル円下落。
23:30~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:10/3, 10/8, 10/10, 10/16, 10/18)
:政策スタンスはハト派。前回10/10タカ派発言
大統領選巡る不確実性、消費や投資の停滞招く=アトランタ連銀総裁(Reuters)
【考察】金融政策や経済見通しについてはコメントなし。
23:00~要人発言
米国カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(2024年FOMC投票権なし)
(過去の発言:6/3, 6/16, 6/20, 8/19, 9/23, 10/7, 10/14, 10/15, 10/21)
:政策スタンスはタカ派。前回10/7ハト派発言
【考察】
23:05 経済指標
米国アトランタ連銀GDP Now(US Atlanta Fed)(Investing.com)
米国アトランタ連銀が各種経済指標を基に算出した米国実質GDPの先行指標です。比較的精度が高いことから市場の注目度が上がっています。
Q3:前回3.4%、予想3.4%、結果3.4%(○)
【考察】強い数値。
25:10~要人発言
米国ウォラーFRB理事
(過去の発言:2/23, 3/1, 9/20, 10/14, 10/18)
:政策スタンスは中立。前回9/20ハト派発言
【考察】金融政策や経済見通しについてはコメントなし。
26:26~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:10/3, 10/8, 10/10, 10/16, 10/18)
:政策スタンスはハト派。前回10/10タカ派発言
米アトランタ連銀総裁「辛抱強くなる」、追加利下げ急がない姿勢強調(Bloomberg)
【考察】利下げ慎重のタカ派発言。ドル円上昇。
28:30 経済指標
IMM通貨先物10/15時点(Investing.com)
円ロング減
【考察】ドル円揉み合い。
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値150.24
取引開始後に日通し高値150.29を付けると、日本消費者物価指数(強)、三村財務官や青木官房副長官の円安牽制発言を受け、日通し安値149.77へ下落して引けました。
【日本市況】円上昇、一時150円台で財務官がけん制発言-債券は下落(Bloomberg)
欧米マーケット:
欧州オープン直前の植田日銀総裁(内田副総裁代読)の不確実性高い発言から日銀早期追加利上げ観測後退、中国人民銀行の資本市場支援策発表を好感した欧州株上昇につれて150.16へ上昇。
しかし、韓国聯合ニュースの地政学リスクオフ、更に日銀報道「物価予想通り推移で利上げ可能」タカ派と「利上げ急がない」ハト派の順にヘッドラインが流れたことで日通し安値149.58へ急落から全戻し。
ところが、原油先物価格急落、更に週末ポジション調整と推測される強いドル売り・円買い発生し、日足安値149.37へ急落し引けました。
日足終値149.53
【米国市況】S&P500種、週間で今年最長の上昇-ドルは149円台半ば(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル売り優勢>
買い材料:
・米国ボスティック・アトランタ連銀総裁のタカ派発言
・トランプトレード(株買い、債券売り、ドル買い)影響:Real Clear Politicsの大統領勝利確率は、トランプ氏58.1%、ハリス氏40.4%。
売り材料:
・週末ポジション調整(推測)
・原油先物価格急落→インフレ懸念後退
<円買い優勢>
買い材料:
・日本消費者物価指数(強)
・三村財務官、青木官房副長官の円安牽制発言
・北朝鮮、ロシア軍事支援強化報道→地政学リスクオフ
・日銀利上げ可能性報道
・週末ポジション調整(推測)
・原油先物価格急落→日本貿易収支改善
売り材料:
・10/17米国小売売上高(強)、米国新規失業保険申請件数(強)→米国好景気継続期待→日本株上昇(円キャリー促進)
・中国人民銀行の資本市場支援策発表→欧州株上昇
・日銀、国債買入オペ通知
・植田日銀総裁(内田副総裁代読):不確実性高い→日銀早期追加利上げ観測後退
・日銀利上げ急がない報道
・IMM通貨先物10/15時点、円ロング減
・2024年6月調査想定為替レート上期144.96(日本銀行、短観)以上推移→日本企業業績改善・株上昇(円キャリー促進)
・構造的円売り(日米金融政策差[日本実質金利マイナスで金融緩和環境継続]、新NISA等海外投資急増、デジタル赤字増加等、骨太方針の家計支援で財政支出増)
・その他円売り(自動車認証不正問題、航空燃料不足・パイロット不足・クレジットカード利用赤字によるインバウンド関連の旅行収支悪化懸念)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利475-500bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回11月7日(木)公表:据え置き12.3→7.1%、25bps引き下げ87.7→92.9%、50bps引き下げ0.0→0.0%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利425~450bps相当
テクニカル分析
トレードシナリオと結果
- 月足:10月陽線形成中。レンジ。
- 週足:10/14週、陽線形成中。レンジ。20MA付近
- 日足:10/17陽線。上昇チャネル。
- 4H足:上昇チャネル。
- 1H足:上昇トレンド。
- 15M足:上昇トレンド。
【シナリオ】
①Long
(A)4H足レンジ高値149.935付近へ下落→転換上昇→目標4H足レンジ高値150.221
(B)日足高値150.322をダウ上昇→目標4H足三尊右肩150.551
②Short
(C)4H足三尊右肩150.551付近へ上昇→転換下落→目標日足高値150.322
(D)日足高値150.322付近へ上昇→転換下落、1H足20MAをダウ下落→目標4H足レンジ高値149.935
本日:1勝2敗、-10.5pips
10月通算:14勝11敗、勝率56.0%、RR1.97 、+176.1pips
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