ファンダメンタルズ分析
本日のシナリオ
<注目材料>
(1)経済指標
・日銀「金融政策の多角的レビュー」に関する第2回ワークショップ
2023年12月4日、第1回「非伝統的金融政策の効果と副作用」(日本銀行)
(2)要人発言
・政府日銀円安牽制
・FRB要人
(3)その他
・5/27(月)メモリアルデー(戦没者追悼記念日)控えた投資適格級社債の発行前倒し影響
・中東地政学リスクオフ
【債券週間展望】長期金利は上昇か、早期利上げとオペ減額に警戒続く(Bloomberg)
【日本株週間展望】続伸へ、為替相場が落ち着き業績評価の見直し買い(Bloomberg)
本日の注目材料は3点。
①日銀早期金融政策正常化観測、政府・日銀為替介入観測
本日も政府・日銀為替介入が実施される可能性低いですが、前日5/20(月)に一気に156円台に乗ったことで円安牽制発言、日銀早期金融政策正常化観測に関する要人発言や報道のヘッドラインが想定されます。但し、サプライズの内容でなければ下落が生じても押し目買い機会になると考えます。
②米国イエレン財務長官、FRB要人発言
合計3回(4/25,5/4,5/13)米国イエレン財務長官より強い為替介入牽制発言が出ていますが、4回目のがあるか注目したい。ただサプライズは薄れていることから、今までより強い表現なければドル円上昇に繋がり憎いかもしれません。
また、前日5/20(月)は相次ぐFRB要人発言タカ派発言から一気に156円台乗せました。本日もタカ派発言が続けば157円台を目指すと考えます。
③中東、ウクライナ、ロシア地政学リスクオフ
中東地政学リスクオフが高まれば、原油先物価格上昇、安全資産米国債買い、リスクオフ円買い材料交錯しますが、基本的には原油先物価格上昇によりドル円上昇を想定します。
前日5/20(月)に固かった上値156.00かつ日足レベルでも三角持ち合い上限を抜けたことで、本日ドル円上昇を想定します。但し、4H足押し安値156.23、日足レンジ高値156.45も控えていますので、深い下押しが生じやすいことには警戒したい。
一方で、5/20時点、日本10年国債利回り0.98%に達しました。ここで日銀が利回り低下を目的に臨時国債買入オペを実施するならドル円急上昇、日銀が動かずに1.0%超えなら日銀早期金融政策正常化観測と判断されリスクオフ株下落を伴うドル円下落が考えられます。
従って、日本10年国債利回り動向と日銀ヘッドラインに要注目と考えます。
マーケット動向
経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)
東京マーケット前
東京マーケット(9:00~15:00)
9:28~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:4/1, 4/2, 4/4, 4/5, 4/9, 4/11, 4/12, 4/15, 4/16, 4/17, 4/18, 4/19, 4/23, 4/25, 4/26, 5/3, 5/8, 5/9, 5/10, 5/14, 5/21)
:前回5/21円安牽制発言。
為替円安、今の段階では「マイナス面が懸念される」=鈴木財務相(Reuters)
【考察】円安牽制発言。ドル円反応薄。
欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)
17:00~要人発言
米国イエレン財務長官
(過去の発言:4/25, 5/4, 5/13, 5/21)
ロシア凍結資産利用の協議、米大統領選が理由ではない-イエレン氏(Bloomberg)
【考察】合計3回強い為替介入牽制発言が出たことで介入警戒後退しました。今回はウクライナ支援へのロシア凍結資産活用が議題であり、介入牽制発言なし。ドル円反応薄
あるカナダの指標ですが対前回値より低下が、貿易関係等など密接な米国にも波及し米国債利回り低下からドル円下落。
22:00~要人発言
米国ウォラーFRB理事
(過去の発言:11/7, 11/28, 1/16, 2/14, 2/15, 2/23, 3/1, 3/28, 5/17, 5/21)
:政策スタンスは中立。前回5/17金融政策についてコメントなし。
ウォラーFRB理事:利下げ開始に「あと数カ月」良好なインフレ必要(Bloomberg)
【考察】利下げ否定タカ派発言あるも、追加利上げ不要ハト派発言に反応しドル円乱高下から下落。
22:01~要人発言
米国ボスティック・アトランタ連銀総裁(2024年FOMC投票権あり)
(過去の発言:2/5, 2/9, 2/16, 2/28, 2/29, 3/1, 3/4, 3/25, 4/3, 4/9, 4/12, 4/19, 5/10, 5/16, 5/20, 5/21)
:政策スタンスはハト派。前回5/20タカ派発言
アトランタ連銀総裁、中立金利巡り活発に議論ー10-12月利下げ開始も(Bloomberg)
【考察】10-12月利下げ開始は市場観測9月より遅くタカ派発言。しかしウォラーFRB理事発言に反応しドル円乱高下から下落継続。
24:51~要人発言
米国バーFRB副議長
(過去の発言:10/2, 10/9, 11/17, 1/9, 2/14, 2/16, 2/27, 3/22, 5/20, 5/21)
:政策スタンスは中立。前回5/20タカ派発言
バーFRB副議長、「考えていたよりも長い間」金利の据え置きが必要(Bloomberg)
【考察】タカ派発言
<まとめ>
東京マーケット:
日足始値156.28
取引開始直後から前日5/20(月)NYマーケットでの相次ぐFRB要人タカ派発言の影響を引き継いで、日足・東京高値156.55へ上昇。
しかし、5/14(火)米国PPI発表後の付けた4H足戻り高値156.58や切番156.50付近を超える材料なく、日本10年国債利回り上昇0.98%(11年ぶり高水準)への上昇で日本国債買い入れオペ減額や早期追加利上げへの警戒感とリスクオフ日本株下落を受けて、東京クローズ直後には日通し安値156.10へ急落しました。
【日本市況】長期金利1%接近、日銀早期修正観測で-株3万9000割れ(Bloomberg)
欧米マーケット:
前日5/20(月)同様、欧州オープン後も下落継続し、日通し安値156.03へ更新。ただ、156円台乗せからは切番156.00の下値も固く押し目買い入り揉み合い。
米国ウォラーFRB理事から利下げ否定タカ派発言あるも、追加利上げ不要のハト派発言に反応しドル円乱高下から急落。同刻、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁はタカ派発言でしたが急落の勢いに押され、日足安値155.84(4H足ダウ高値155.87かつ4H足20MA付近)でようやく下げ止まり。
その後、米国バーFRB副議長のタカ派発言を受けて上昇。
日足終値156.20
【米国市況】株・国債ともに上昇、エヌビディア決算待ちー156円前半(Bloomberg)
ファンダメンタルズ材料とドル円の関係
通貨強弱
<ドル買い優勢>
買い材料:
・5/20(月)FRB要人タカ派発言の影響継続
・米国ウォラーFRB理事、米国ボスティック・アトランタ連銀総裁、米国バーFRB副議長のタカ派発言
売り材料:
・カナダ消費者物価指数の対前回値より低下が、貿易関係等など密接な米国にも波及→米国債利回り低下
・米国ウォラーFRB理事のハト派発言
・原油先物価格下落
<円買い優勢>
買い材料:
・5/20(月)FRB要人タカ派発言の影響継続→米国高金利長期化懸念→米国債利回り上昇に連れた日本国債利回り上昇(10年利回り0.98%、11年ぶり高水準)
・日本国債買い入れオペ減額や早期追加利上げへの警戒感継続→日本国債利回り上昇→リスクオフ日本株下落
・鈴木財務相の円安牽制発言
・日銀追加利上げ前の海外勢の資金調達観測(円建て債発行準備)
・日銀「金融政策の多角的レビュー」に関する第2回ワークショップで超低金利や量的緩和の副作用」の議論
・原油先物価格下落
売り材料:
・リスクオン株上昇(海外勢為替ヘッジ)
政策金利市場織り込み
現行FRB政策金利525~550bps
2024年FOMC市場織り込み(CME FedWatch Tool)
次回6月12日公表:据え置き96.4%
初回利下げ観測9月18日公表:25bp引き下げ50.7%
年内利下げ観測:25bps×2回=50bps → 政策金利475~500bps相当
テクニカル分析
Trade
- 月足:5月陰線形成中。上昇トレンド。
- 週足:5/20週、陽線形成中。上昇トレンド。
- 日足:5/20陽線。三角持ち合い上限付近
- 4H足:上昇トレンド。
- 1H足:上昇トレンド。
- 15M足:レンジ。
【シナリオ】
①Long
(A)1H足ダウ高値156.151付近へ下落→転換上昇→目標4H足戻り高値156.580
(B)4H足ダウ高値155.867付近へ下落→転換上昇→目標日足高値156.304
②Short
(C)4H足戻り高値156.580付近へ上昇→転換下落→目標日足高値156.304
5月通算:10勝4敗、勝率71.4%、+265.0pips
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