2023年10月2日(月)ドル円初心者戦略と結果

ドル円戦略

ファンダメンタルズ分析

本日のシナリオ

<注目材料>
(1)9/29の欧米マーケット影響
注目度の高い米国PCEデフレータを控えたドル円ロング勢の決済、「全米自動車労働組合ストライキ拡大や米国政府機関閉鎖への警戒→株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」から、「米国債利回り低下→ドル売り」が加速し、欧州オープン直後に日足安値148.53へ急落。
しかし、1H足200MAで綺麗にサポートされ、「政府日銀の円安牽制の警戒感低下→巻き戻しの円売り」に乗ってドル円上昇。
米国PCEデフレータは総じて強い数値、米国ミシガン大学消費者信頼感指数確報値・インフレ予測も強い数値で東京マーケットからの下落を全戻しの上昇。
だが、上値は重くチャネルを形成しており高値警戒感は継続。「2日連続の原油先物価格下落→インフレ懸念後退→米国債利回り低下」はドル円下落に寄与。
日足終値149.37。

(2)経済指標
・日銀短観
・米国PMI確報値
・米国建設支出
・米国ISM製造業景気指数

(3)要人発言
・金融政策決定会合における主な意見(9月21・22日分)
・政府日銀の円安牽制
・中国人民銀行の元安牽制(元買いドル売り材料)
・FRB要人

(4)その他
・TOM(Turn of the Month)効果(アノマリー)
株式投資の月末安・月初高アノマリー。期間は営業日ベースでの月末3日間程度、月初3日間程度。月末の損益確定、毎月一定額を積み立てる投資信託などの購入が月末・月初に集中しやすい。「株買い→円売り材料」、「株売り→円買い材料」になり得る。

・来週のドル・円は米重要指標で上下に振れる展開か、米政府閉鎖も警戒(Bloomberg
・米政府閉鎖を回避、上院も期限直前につなぎ予算可決-大統領署名(Bloomberg
・全米自動車労組(UAW)によるストライキ:スト拡大→米国景気後退懸念→ドル売り材料
・原油先物価格:価格上昇 or 高止まり→インフレ懸念→米追加利上げ or 高金利長期化、日本貿易収支悪化→ドル買い、円売り材料

週末休場中に米国政府閉鎖が回避されたことでリスクオンのドル円スタートになりやすい。
但し、149円台に乗ってからは政府日銀からの円安牽制発言を受けて一時的に大きな下落も生じていることから引き続き注意は必要。裏を返せば押し目買い狙いが低リスクな状況に変わりはない。

また、本日注目度の高い米国経済指標が相次ぐ。先週は「経済指標の強い数値→ドル円上昇」「経済指標の弱い数値→ドル円下落」の素直な動きが多かったことから、今週も同じ傾向が続くか注目したい。

マーケットの動き

経済指標評価
(前回かつ予想より良い:◎、予想以上:〇、予想より悪い:△、前回かつ予想より悪い:×)

東京マーケット前

8:50 経済指標
日銀短観(日本銀行
大企業製造業・業況判断:前回5、予想6、結果9(◎)
日銀短観(大企業製造業・先行き):前回9、予想7、結果10(◎)
大企業非製造業・業況判断:前回23、予想25、結果27(◎)
大企業非製造業・先行き:前回20、予想24、結果21(△)
大企業全産業・設備投資:前回13.4%、予想13.4%、結果13.6%(◎)
「強い数値→日銀金融緩和修正期待→円買い材料」「弱い数値→日銀金融緩和継続期待→円売り材料」
大企業製造業の景況感、2期連続で改善 9月日銀短観(日本経済新聞

8:50 要人発言
金融政策決定会合における主な意見(9月21・22日分)
目標達成に近づきつつある、年度後半は見極めの重要局面-日銀意見(Bloomberg

【考察】金融緩和継続のハト派発言は変化ないが、物価上振れリスクへの言及はタカ派でドル円下落。しかし、直ぐに政策修正ないため全戻し上昇。

東京マーケット(9:00~15:00)

10:40~要人発言
鈴木財務相
(過去の発言:5/30, 6/16, 6/20, 6/27, 6/28, 6/29, 6/30, 7/4, 7/18, 8/1, 8/15, 8/25, 9/1, 9/8, 9/22, 9/26, 9/28, 9/29, 10/2)

「注意しながら見ている」と鈴木財務相-円が対ドルで年初来安値更新(Bloomberg

【考察】円安牽制発言→ドル円下落から即全戻し。

13:05 要人発言
日銀、残存5-10年国債の買い入れオペを4日追加へ-金利高続く(Bloomberg

【考察】日本10年国債利回り低下→円売り→ドル円上昇だが150円目前で政府日銀の円安牽制や介入警戒感強く全戻し下落。

欧州マーケット(16:00~25:00)
NYマーケット(22:30~29:00)

16:20~要人発言
松野官房長官
(過去の発言:6/15, 6/26, 6/30, 8/3, 9/6, 9/21, 9/22, 10/2)
高い緊張感持ってしっかり対応する=149円台の円安で官房長官(Reuters

【考察】円安牽制発言→ドル円一瞬の下落から即全戻し。

16:45~要人発言
強い緊張感もって市場の動向みている=為替円安で鈴木財務相(Reuters

【考察】再び150円目指すタイミングで円安牽制発言→警戒感からドル円下落だが影響小。

17:00 要人発言
米国バーキン・リッチモンド連銀総裁(2023年FOMC投票権なし)
(過去の発言:4/12, 4/17, 5/12, 5/15, 5/16, 5/30, 6/16, 6/22, 7/12, 8/3, 8/8, 8/22, 9/28, 10/2)
米リッチモンド連銀総裁、住宅市場が強く他を一段と減速させる必要も(Bloomberg

【考察】タカ派発言だが、直前の円安牽制発言の影響強くドル円下落。

22:45 経済指標
米国PMI確報値
(速報値発表日:10/2411/2312/161/242/213/244/215/236/237/248/23, 9/22
基準50。景気先行性高いため注目度高い。速報値は確報値より注目度高い。
製造業:前回48.9、予想48.9、結果49.8(◎)

23:00 経済指標
米国建設支出
前月比:前回0.7%(改定0.9)、予想0.7%、結果0.5%(×)

23:00 経済指標
米国ISM製造業景気指数:景気の先行指標として注目度大(
Institute for Supply Management)
(発表日; 10/311/112/11/42/13/14/35/16/17/38/1, 9/1, 10/2)
基準50、前回47.6、予想47.7、結果49.0(◎)

米ISM製造業景況指数、約1年ぶり高水準-最悪期過ぎたか(Bloomberg

【考察】強い数値→米高金利継続懸念→米国債利回り上昇かつ株先物・株価指数下落→ドル買いかつリスクオフ円買い交錯し、ドル円方向性なし。150円直前につき政府日銀の円安牽制警戒感も継続の様。

23:31~要人発言
米国ボウマンFRB理事
(過去の発言:4/20, 5/12, 5/31, 6/22, 8/7, 9/26, 10/2)
ボウマンFRB理事、複数回の利上げが必要との見解を改めて表明(Bloomberg

【考察】タカ派発言→ドル買い・リスクオフ円買い交錯継続しドル円揉み合い。

24:00~要人発言
米国ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁(2023年FOMC投票権あり)
(過去の発言:4/12, 4/21, 5/31, 6/1, 8/10, 8/24, 8/25

【考察】金利や経済に関する見通しについてはコメントなし

25:17~要人発言
米国パウエルFRB議長
(過去の発言:5/3, 5/19, 6/14, 6/21, 6/22, 6/28, 6/29, 7/26, 8/25, 9/20, 10/2)
FRB、物価安定の回復に焦点=パウエル議長(Reuters

【考察】会合冒頭の挨拶に留まり、金利や経済に関する見通しについてはコメントなし

26:00~要人発言
米国バーFRB副議長
(過去の発言:3/27, 3/29, 7/10, 10/2)
バーFRB副議長、最大の問題はどの程度長く高金利を続けるか(Bloomberg

【考察】タカ派発言、追加利上げ慎重のハト派発言→ハト派発言が材料視でドル円下落

<まとめ>
東京マーケット:
日足始値149.37。東京高値149.82へ上昇してからは、政府日銀の強い円安牽制・実介入警戒感から揉み合い。
①日本株:9/30(土)米国両院で繋ぎ予算可決→米国政府閉鎖回避→リスクオン円売り
②米国債:米国政府閉鎖回避→リスクオン米国債売り→米国債利回り上昇→ドル買い
③日本国債:「日銀短観の強い数値→10年債利回りが10年ぶり高水準→日銀政策変更期待→円買い材料だが反応薄」
④政府日銀の発言:円安牽制→ドル円下落小→直ぐに全戻し。
⑤原油先物価格:小幅上昇。

きょうの国内市況(10月2日):株式、債券、為替市場(Bloomberg

欧米マーケット:
米国経済指標の強い数値で日足高値149.88を付けたが、リスクオフ円買いかつ政府日銀の円安牽制・実介入警戒感は強くNY引けに掛けて揉み合い。
①欧米株:「米国経済指標の強い数値→米利上げ長期化懸念→株先物・株価指数下落→リスクオフ円買い」
②米国債:「米国政府閉鎖回避、米国経済指標の強い数値→ドル買い」
③原油先物価格:「リスクオフ→下落」
日足終値149.88。

【米国市況】米債券利回り急上昇、テク株は高い-円は年初来安値更新(Bloomberg

ファンダメンタルズ材料とドル円の関係

(Trading View)

米国債イールドカーブ

10/2(月)は9/29(金)に対しベア(短期金利上昇、長期金利上昇)、逆イールド縮小。ドル買い材料(U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY)

FOMCの利上げ幅見通し(CME FedWatch Tool
11月公表:据え置き74.3%、25bps引き上げ25.7%、50bps引き上げ0.0%

テクニカル分析

トレード

  • 月足:9月陽線確定。レンジ内の上昇トレンドでレンジ実体上限到達。
  • 週足:9/25週、陽線確定。上昇トレンド。
  • 日足:9/29下ヒゲピンバー。上昇チャネル上限付近。
  • 4H足:レンジ。
  • 1H足:レンジ。
  • 15M足:レンジ。

【シナリオ】

①ロング
(A)1H足サポート149.184付近まで下落→1H足レジスタンス149.453をダウ上昇→目標1H足レジスタンス149.654
(B) (A)後、1H足サポート149.453付近まで下落→1H足レジスタンス149.654をダウ上昇→ラウンドナンバー150.00

②ショート
(C)4H足サポート140.074をダウ下落→目標1H足サポート148.770

【前提】
目標:リスクリワード2.0以上、値幅20pips以上。しかし、目標到達付近で反発して15M足ダウ転換生じれば早めにT/Pする。
経済指標、要人発言や報道で大きく動いた際はレジサポなくともエントリー。

(Trading View)

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